11話 ページ12
アトミック「…なんか、顔についてんのか？」
貴「え!?いえ！何も、付いてないです!」
あまりにも、自分の顔を凝視されているので何かゴミでも付いているのか本人に聞いてみたアトミック。
貴「その、精悍なお顔立ちだったので…見惚れて…!あ、えっと!い、今のナシです!!」
Aは、つい思ったことをポロッと言ってしまった。本人の目の前で"かっこいいから見ていた"と言ってしまった。確実に墓穴を掘ってしまったAは、耳を真っ赤に染めながら、手で顔を隠している。
バング「よかったの、アトミック侍」
アトミック侍「うるせぇぞ、シルバーファング」
Aは、顔を隠したまま無意識に超能力を使ってしまい、数センチフヨフヨと浮遊している。
???「…(浮いてねぇか?)」
真正面に座っているヤンキーの格好をしたヒーローはAが、浮いていることに気づいたが、他のヒーローは気づいていない。
???「遅くなった」
すると、ドアを開けてヒーロー協会の役員が数名入ってきた。Aも、無意識に使っていた超能力を止めて、火照った顔をどうにか、通常に戻し手を膝の上に乗せた。
シッチ「今回の説明役に任されたヒーロー協会のシッチだ。早速本題に入らせていただこう…"今回は、地球を守っていただきたい"」
シッチは、真剣な表情で話を続けた。話の発端は、予言者である"シババワ様"が亡くなられた事だ。
貴「あ、あの、シババワ様って誰ですか?」
???「お姉さん知らないの?大予言者の人だよ、災害とか怪人が来るタイミングをピタリと当てる」
Aは、横にいた小さな少年に、シババワのことをボソッと小さな声で尋ねた。
貴「予言者…」
シッチ「問題の核となるのは、シババワ様が最後に遺した大予言文」
シッチは、冷や汗をタラりと流しながら胸ポケットに入れているシババワの予言文をモニターに映し出した。
『地球がヤバい!!!』
描き殴られた文字だが、確かに見える。Aは、生唾を飲み込みシッチの話を聞いている。
シッチ「シババワ様の予言は100％当たる!しかし、シババワ様が"ヤバい"と表現した事は、今まで一度もなかった…!」
シッチ「大地震や鬼や竜レベルの怪人や襲来するよりも、"ヤバい"事が起きようとしているのだ!それも、半年以内に!!」
シッチは、ゼーゼーと肩で息をしている。まさか、こんなことを聞かされるとは思っていなかったAは、少し顔色が悪くなってしまった。
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作者名：唐墨 x他1人 | 作成日時：2022年2月5日 13時
