【アルスマグナ】涙は枯れるまで【九瓏ケント】

第21話 ページ22

朝、部屋から出たら
沙良が私を待っていた


沙良「おはよ！A」


いつもよりお洒落してる気がした
......それもそうか


A「おはよ、沙良」


それから2人で
教室までゆっくり歩いた


A「......今日は頑張ろうね」


教室に着いて
前の席にいる沙良の背中に
話しかけた


沙良「うん！A、本当にありがとう！」


振り返って沙良は真っ直ぐに
私の目を見て答えた


A「ううん、いい答えだといいね」


そんな事言いながら
傷つくのは自分だって、
私がよく分かってるのに


沙良「うん、......緊張するなぁ」



A「落ち着いて、大丈夫だよ」


何の根拠もないけど
大丈夫、沙良にそう言い聞かせた
けど、私は......


沙良「A...？大丈夫？」



A「......え？どうして？」


沙良は私の手を握って
涙を堪えながら言った



沙良「......Aも先生の事、好きなんでしょ？」



......違うよ、って言おうとしたのに
私は言えなかった


私は何も言わなかったけど
沙良は知ってた


私も先生の事が好き、って事に

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