会いたくなかった (ページ4)

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Four ページ4

私の腕を掴んだのは田中だった

「は？じゃなくて、俺の横空いてんじゃん」

こいつは何言ってんだろう
いつもいつも、高校の時からそうだ

『や、慎太郎の横座るから大丈夫』

「樹振られてやんの！」

慎太郎が煽れば、うっせ！なんていって何事も無かったかのようにまた京本と話し始める

『飲まなきゃやってらんない、慎太郎頼んで』

「はいはーい、いつものねー」

今日は絶対沢山飲んでやる

･

･

『だーかーらー、なんで樹呼んだ時に私も呼ぶわけ！』

「だぁあ、もう悪かったって！
ちょ、北斗！Aのジョッキ奪って！」

いつもよりハイペースでのめば酔いは回ってくるもので。
慎太郎と北斗に全力で止められる

『私が会いたくなかったのあんたが1番知ってるでしょうがあぁあ…』

「てかAって樹のこと好きじゃなかったっけ」

ズドン

酔いが覚めるような爆弾を落とす京本

「え、そうなの？」

キョトンとした田中、あわあわしている慎太郎

ああ、なんてめんどくさい

『…うん、高校の時はねー好きだったよ』

普通にそう言えば、そうだよね。なんて普通の会話と同じように京本は返してくる

この坊ちゃんタイミングおかしいだろまじで

『……結構回ってきたしそろそろ帰る』

いたたまれなくなってお金を机に置いて少しふらつきながら出ていく

足元おぼつかないけどそこまで家から遠い距離では無いし大丈夫だろう

「こんな時間に女ひとりで帰らせるわけねーだろ」

なんで君が追っかけてくるかなぁ