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「その、まさかなんだよ。



私がシルクたちに言った約束覚えてる?絶対に『おねがいごと』をしてはいけないってやつ。


ここの神様である『ヒジリさま』はどんな願いも叶えることができる。






…代償と引き換えに。




そして、『永久の夏』を望んだ4人の願いを叶えてしまった。夏に囚われることを代償にね。




本当なら強い願いしか『ヒジリさま』に届かないはずなんだけど、8月15日という日に、境界が曖昧な君らが境界線であるこの神社に来てしまった。



その悪い偶然が、『ヒジリさま』に願いを届けてしまったんだ…



シルクたちは大丈夫だろうけど、ここの秘密を知ったからって、それを利用しようなんて思わないで。

…願いは、叶えてもらうものじゃなくて、自らの意思で叶えていくものだから。」





「…」







思わず全員が黙り込んでしまう。

まさか、あの時の軽い気持ちがここまでの事態を招くなんて。




「俺たちが日常に帰る方法はないのか…?」




あまりにも非現実的な出来事に、戻る方法があるとは思えなかった。



けど、俺たちは9月に進まなくてはいけない。



終わらない夏も素敵かもしれないが、俺らにはそれより先の未来が大切だった。




それに、夏が終わらなければ、俺の想いも空蝉には届かない。




「大丈夫、安心して。私が必ずシルクたちの日常を取り戻すから。」




そう言った空蝉の目には真っ直ぐな意志が灯っていた。



その様子は、何故だか俺の心を酷く揺らしたんだ。

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りんてん - え、もう感動して涙がポロポロ...。 泣けました!素晴らしいです!! (2019年10月25日 23時) (レス) id: e2668604a6 (このIDを非表示/違反報告)
どこか村のだれかさん - 気づいたら読み終わってました!面白かったです! (2019年9月9日 0時) (レス) id: 3706e8b566 (このIDを非表示/違反報告)
バニレ - とても面白かったです。更新待ってます。 (2019年8月28日 12時) (レス) id: 527198f7e6 (このIDを非表示/違反報告)
www - イエ―イ!面白いよ!相変わらず!w (2019年8月26日 17時) (レス) id: bb2f701b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:來(らい) | 作成日時:2019年8月25日 21時

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