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「シルク!?モトキにマサイ、ぺけたんまで…どうしてここにいるの!?
夏は終わったはずじゃ…!」



俺たちの姿を見た空蝉は酷く動揺していた。

やはり、彼女はなにか知っている。そう確信する。




「俺たち、もう5回も8月31日を過ごしているんだ。同じ日を何度も何度も。」




俺がそう言うと、彼女は何かに気が付いたかのように青ざめ、呟いた。






「…私の、せいだ。




やっぱりあの日、シルクたちにはもっと早く帰ってもらうべきだった。」



その言葉に、今度は俺が驚かされる番だった。


「空蝉、落ち着いて。
君のせいって、どういうこと?」


動揺しきっている彼女に向けて、宥めるようにぺけが問いかける。




「本当は教える気なかったんだけどな。もう、シルクたちも無関係じゃなくなっちゃった。


信じられないかもしれないけど、今から言うこと、聞いて欲しい。」





普段の様子とは一転し、雰囲気が変わった彼女に思わず俺たちまで固唾を飲む。




「この神社は此岸、つまりこの世と彼岸…あの世の境界線なんだ。





普段は此岸の人間が来ることなんてないんだけど、私たちが出会ったあの日、8月15日だったでしょ?

あの日は、此岸と彼岸が最も近くなる日なの。



そんな日にやってきたシルクたちは心霊スポットへ行ったあとでとても境界線が曖昧になっていた。


それを感じた私はできるだけ早く帰そうとしたんだ。



きっとその時、みんなはこう思わなかった?『夏が続けばいいのに』って。」


その言葉に、はっとした。



確かに俺は思ったはずだ。
『あぁ、この夏が終わらなければいいのに』と。





それは他のメンバーも同様のようで、全員で顔を見合わせる。





「でも、それがどう関係するんだ?まさか、神様が叶えてしまったなんて言う訳ないよな?」





俺たち全員の疑問をマサイが代弁して空蝉に投げかける。

すると彼女は再び悲しげな表情をして話し出した。






「その、まさかなんだよ。」

玖→←漆



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りんてん - え、もう感動して涙がポロポロ...。 泣けました!素晴らしいです!! (2019年10月25日 23時) (レス) id: e2668604a6 (このIDを非表示/違反報告)
どこか村のだれかさん - 気づいたら読み終わってました!面白かったです! (2019年9月9日 0時) (レス) id: 3706e8b566 (このIDを非表示/違反報告)
バニレ - とても面白かったです。更新待ってます。 (2019年8月28日 12時) (レス) id: 527198f7e6 (このIDを非表示/違反報告)
www - イエ―イ!面白いよ!相変わらず!w (2019年8月26日 17時) (レス) id: bb2f701b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:來(らい) | 作成日時:2019年8月25日 21時

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