チャプター3〜上昇と下降〜 ページ29
｢おや、メアじゃないか。
人形とは仲良くしているかい？｣
｢うん！
この子とメアは仲良しなんだ！｣
笑顔で答えると中年の男性は
微笑み、メアの頭を撫でた。
しかしその顔には何処と無く
辛そうな顔をしていた。
中年の男性は黙ったあと
静かな声で言った。
｢メア、大事な話があるんだ。
叔父さんはこれから
仕事で遠いところに行かないとならない。
お母さんと仲良く、いい子で
いられるか？｣
メアはただ、キョトンとした表情で
中年の男性を見ていた。
きっと遠い場所というのは、
海外か隣の街だと思っていた。
メアはうなづくと中年の男性は
寂しげに笑って
｢そうかいい子だな、メア。
...また会えるといいな。｣
そう言うと中年の男性は
黒く染まり、インクのように溶けおちた。
そのインクからは別の人物が出てきた。
彼女は恨めしそうにメアを見つめ、
手を上げると、そのままメアに振り落とした。
｢私は...悪くないのに！
メアのせいなのに！！｣
彼女はいつも怒り、手を出した。
普段は優しいが父と何かがあると
毎回のようにメアを傷つけた。
｢ごめんなさい、お母さん...｣
何も出来なくてごめんなさい。
幼い頃は謝ることしか出来ず、
それが彼女を苦しめていたとは
分かるはずもない。
いつも人形に話しかけて
辛さを誤魔化していた。
しかしある日こと、3人で
出かけていた際に交通事故に遭い、
私を残して空へと逝った。
その時の光景は...？
メアはしゃがみ込んだ。
すると後ろに人がいる気配がした。
振り向くとそこには、父と母がいた。
その姿はとても見ていられるような
ものではない。
2人の口が少し開き、何かを言った。
｢私達はメアを許さない。｣
そう言ったような気がする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し - それと､私のコメントがプレッシャーになってしまっていたらごめんなさい…｡ (2019年12月31日 23時) (
レス) id: b9a6360065 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - お久しぶりです…元チトです…｡と言っても､覚えていらっしゃるかは不明ですが…嫌味じゃないですよ…｡前置き(？)が長くなってすいません…｡続き待っていたので更新されていて嬉しかったです…これからも続き､気長に待ってます…｡長文失礼しました｡ (2019年12月31日 23時) (レス) id: b9a6360065 (このIDを非表示/違反報告)
雷鳴(プロフ) - まふぃんさん» コメントありがとうございます。まふぃんさんも辛いのにお気遣いありがとうございます...そうですね、のんびりと頑張って生きましょう！ (2019年12月23日 11時) (レス) id: 022fc2b404 (このIDを非表示/違反報告)
まふぃん(プロフ) - こんばんは！私も今ほんとに仕事が辛い時期です…病み期に入っていでもうどうしようかと…気力もなく何もしたくないと機械的に過ごす毎日です。まだ年が明けるまではこれが続くので死にながら生きます。お互い辛い身、のんびり頑張らずに生きましょう (2019年12月22日 20時) (レス) id: 1d86bab40b (このIDを非表示/違反報告)
雷鳴(プロフ) - スズネさん» コメントありがとうございます...！今現在小説をちまちまと書いてますので、出来次第更新させていただきます...！応援、心配ありがとうございます！ (2019年12月22日 2時) (レス) id: 022fc2b404 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雷鳴 | 作成日時：2018年2月3日 15時
