裏切られたんで裏切り返してやろうかと

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伏黒side


置いて行かれた俺達は必死に動くようもがいていた。
釘崎に関しては俺が諦めようと悲鳴とも受け取れる声を上げて動こうとしていた。

釘崎｢動け、動け私の体ァ！こんな所でへばるような訓練してないでしょ！！｣
伏黒｢釘崎、無理するな。そこに体力を使ったら俺達は動けねぇ。｣
釘崎｢うっさいわね！これだから女心の分からない男は嫌いなのよ！｣
伏黒｢はぁ？｣

釘崎は涙を流しながら、まだ動こうと呪力で縛られた体をうねらせ引き摺ってでも進もうとする。

釘崎｢だって…だって、謝れなかったのよ…？意味分かんない意地張って、まるでこんなの……｣

呪いじゃない、と力なく呟く釘崎はぽたぽたと地面に染みを作っていく。
そんな時、もがいていた釘崎が何かの反動で顎をぶつけた。
気付けば俺達は動けるようになっており、ゆっくり立ち上がった後玉犬でA先生の追跡を始める。
勿論見つかるはずが無いのは分かっている、が少しの可能性を感じていたかった。

伏黒｢…ハンカチいるか。｣
釘崎｢たまには気が利くのね、洗って返すから。｣
伏黒｢あぁ、｣

沈黙が続く。
その沈黙を先に破ったのは釘崎で

釘崎｢あんた、私に協力しなさいよ。｣
伏黒｢は？｣
釘崎｢見付けるのよ、あいつの顔1回は引っぱたいてやるんだから！｣

下唇を噛んで訴える釘崎に、俺はあぁと答える他無かった。

虎杖なら、こんな時なんて言うだろうか。

俺はやっぱり、未熟なままだ。

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