裏切られたんで裏切り返してやろうかと

12. ページ13

Aside


2つ程多い足音に、俺はすっと後ろを振り返る。
勿論誰も居ないが気配は2つ、そこにある。

俺は人気の無い路地裏へと駆け込んだ、勿論着いてくる足音と気配は俺が止まればまた止まった。

『何の用だ？野薔薇、恵。』
伏黒｢…気付いてたんですね、先生。｣
『先生？まだ夢を見てるのか？』
釘崎｢あんた、いつ戻ってくんのよ。まさかこのまま戻らないつもり？｣
『当たり前じゃないか、まさかあんな言葉掛けといて戻って来いとか言わねーよなぁ？』

2人はグッと黙る、下唇を噛んで悔しそうに。
自分が偽善者だと気付いたのか、将又俺を連れて帰る為なのか。
どっちみち、捕まる訳には行かない。

『まぁどっちでもいいや、俺には興味無い。あ、悟とバカ悠仁は元気？』
伏黒｢それは、皮肉と受け取って良いんですか。｣
『受け取るのは自由だからなぁ？』

笑ってやれば鋭い眼光、それを合図にしたかのように釘と玉犬が飛んでくる。
鍛えられたようにも見えるが、やはりまだ学生。
動きが鈍いな。


『＿錯乱暗転。』

そう唱えれば2人はガクリと膝を着き意識あるまま倒れた。
目は開いている、だが体が眠ったように重く動かない。

『少なくとも1分は動けないよ、生徒2人で俺に挑もうなんて舐められたもんだねぇ。』
釘崎｢ったい殺す、殺してやる！！｣
『殺したいなら殺せばいいさ、殺せるならね。』

俺は叫ぶ野薔薇を笑い、その場を去った。

13.→←11.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す