向日葵が9束 ページ9
ロメオくんの能力でルフィを自由にさせないようにし、ローと2人でフンコロガシのようにコロコロと玉を転がしていく。
「島の反対側から港に出る。ライブ会場には、海軍達がいた。」
「偵察に来ていたってことだべか」
そんな奴らいたか?疑問になりながら手を動かしていれば、それに気づいたローが1つ溜息をつきさも当たり前かのように「居ただろ」と言ってくる。
しょうがないだろ。気づかなかったんだから。
「おそらくこの島の近くに来ている海軍の誰かに吐かせれば…そっちじゃない!」
「止まってロメオくん!」
ローが刀の位置を戻そうと手を離せば、能力の内側にいたロメオくんが止まったことに気付かずにそのまま崖を転がり落ちてしまった。
「ど、ど、どうしよう結構遠くまで落ちて行っちゃったかな。ルフィ達怪我してないといいんだけど…」
「アイツらなら大丈夫だろ。港あたりに落ちただろうから急いで追いかけるぞ」
港はどこだ。敵はどこだ。とバタバタしてる内にルフィたちの声がして駆け寄る。
何やら、小さいぬいぐるみのような子と戯れているようだった。
「か、かわいい!」
ルフィ曰く、ベポと同じくらいのサイズになったサニー号らしい。ちまちまとした足取りでペチペチと近づいてくれるサニーくんに目線を合わせるようにして膝をおれば、手にすり寄ってくれる。
考えることが多くて痛くなっていた頭が幾分かマシになった気がした。根本のモヤモヤは取れていないが、きっとそれはウタと話し合わないとダメなことだろう。
「なんでまたこの中にィ」
再び、ルフィをロメオの能力で球体の中に入れれば見聞色の覇気を使って海軍のコビーと名乗る彼とドアドアの実の能力者が現れる。
「皆さんが知りたいのは、ウタの能力についてですよね。」
その場にいた全員がその言葉に食いついた。
ここは、現実世界では無い。僕たちが見てるのは、ウタが能力で作りだした意識の中での架空の世界だと。
ウタウタの世界に取り込まれていると。
「そういや、ウタのやつそんな能力もってるなんて言ってたな!なぁ、A」
バッ勢いよく振り向かれ問い詰められる。
誤魔化すように笑えば諦めて話を進めてくれるコビーさん達。
現実の世界には、僕たちの体だけが残っていると。
ウタが眠れば能力は解除されるがウタウタの実の世界に取り込まれた僕達は現実のウタに手は出せないと。
1140人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:パチュリー | 作成日時:2024年2月24日 4時