向日葵が7束 ページ7
「まさかルフィ先輩を、運ばせていただくなんて!感動で、前が、前が見えねぇベブェ」
「麦わら!」
「ロメオくん」
感動の涙で前が見えず、壁にぶつかるロメオを後ろから支える。ベポは、落ちそうになったルフィの腕をとる。
何とか転ばずに済んだが、顔は少しヒリヒリして痛そうだ。
「何やってんだ、早く逃げるぞ」
急いで立て直し、駆け上がっていけば辺りを見渡せる高い場所に到着した。周りには沢山の巡回兵たち。
「ここは…」
_キャーーー!
_誰か、誰か助けておくれ!
嫌な記憶に頭を振る。
思い出したくない、彼らが消えていった記憶を。
「君たち……。君は、」
俯きつつあった顔をかけられた声で上へあげる。
男性と目線が交わり、1度上から下まで姿を見られたあと声を震わせて「君はあの時の、いや。」と何かを口篭る。
僕は、少し大柄なその男性にあまり目を合わせられなくてすぐに目線を逸らした。これが罪の意識というのだろうか。
「ルフィくんと言ったね。君は…」
「あぁ。オッサン誰だ?」
かつてこの国エレジアを治めていたゴードンさん。
あの日、彼とシャンクスが何か話していたのを思い出す。
「ウタの話をしよう。」
語られるウタの話。
僕達が目を背けてしまった日々の話。
ゴードンさんは、ウタと紳士に向き合ってくれていた。とても親身になってウタの為に、献身的になってくれていたと。
暇があれば、懐かしむように歌を歌っていたと。
「あのー!聞いているかね!?」
石や気を積上げ遊び始めるルフィに声をかけるゴードンさん。話を続けようとロメオくんが進めてくれれば、ベポが特殊な機械を動かす。
「チッ」
「スイマセン」
2年ほど前、偶然拾った流れ着いた新種の映像でんでん虫で自分の姿を世界を覆い尽くすように世界に広めていった。
しかし、もともとは歌を聴いてもらうはずがいつの間にかウタを救世主だと崇めていった。
そして、新時代を___
「頼む、ウタの計画を止めてくれ!友人だったルフィくんならきっと。それに、君なら」
最後の問で僕の瞳に視線を向ける。
甘く握りしめていた拳がほんの少し震える。
そんなこと、僕には、出来るはずが。
「計画というのはこのライブのことか…ッ!」
「スイマセン」
ローが確信的な質問をしようとすれば、ライブという単語に反応してベポがまた機械を動かす。
「ベポ!」
「アッチョーーーー」
ローが振り返れば、ベポは小さくなっていた。
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作者名:パチュリー | 作成日時:2024年2月24日 4時