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向日葵が5束 ページ5

ウタの曲も一区切りつき、会場全体が各々好きなように時間を過ごす。ご飯を食べてる人もいれば、お酒を嗜む人も。


「うま」


僕達も腹ごしらえをしようと、それぞれ口へ食べ物を運んでいく。共に航海している仲間に朝一で持たせてもらったお弁当箱を開け、箸で口に持っていけばふわふわの卵の甘さが口の中でが広がる。

早朝、ローからでんでん虫で連絡を受けたと思えば返事もろくにできないまま、数秒後にいつの間にか僕の船に現れていた。本当に意味がわからない。

そのままあれよあれよと連れていかれて今に至る。
最近は、ウタが色々なメディアを通して人気になっていたのは知っていたし僕の船にも何人かウタのファンがいた。

四六時中、ウタの曲が流れることもあった。
けれど、ローからでんでん虫で連絡を受けた時も ベポにライブに行かないかと誘われた時も数秒口が上手く動かなかった。


だからだろう、何も言わずに引っ張りあげて会場に連れてこられたのは。


「ちゃんと食え、この後に響くだろ」
「むぐッ」


いつの間にか止まっていた手に気づいたローは、僕の弁当箱から唐揚げをひとつ摘み口の中へ無理やり放りこんでくる。

手に少し残っている唐揚げの衣をペロリと舐める仕草をしてこちらを見るロー。
あーあ、イケメンはいいよな面が良くて、1度笑えば女の子が寄ってくるんだもんな。

むすりと頬を膨らませながら黙々と食べ続けていれば、何やらルフィとウタが遊びを始めていた。


「あれは…チキンレース」


僕自身やったことは無いが、昔ルフィと遊んで帰ってきて船に戻る度に色々な遊びをしたとウタが楽しそうに話していたことがあった。
その中のゲームの一つだ。

ルフィがウタの知恵に負けて、海に落ちていく。
そのままウタがルフィを助けたと思えば、何やら岩の上で揉めてるようだった。


「みんな、また海賊を見つけたよ。どーしよう?」


ウタの問いに答えるようにファンが一丸となってコールを始める。 既に、ルフィの仲間は2人掴まっていた。

次々と襲い来る敵たちに、彼らは動き出す。
しかし、ルフィただ1人だけ動き出さない。



「あんたがやらなくても、あたしはやるよ。」



会場は暗転。全体的に暗いまま、色とりどりのライトがウタの背後から光を放つ。
さっきまでの曲調とはうってかわり、怒りをただぶつけていくかのような歌い方なのに、それでいてどこか寂しそうな。

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設定タグ:ONEPIECE , 赤髪海賊団 , 男主   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:パチュリー | 作成日時:2024年2月24日 4時

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