向日葵が1束 ページ1
世はまさに大海賊時代。
富や名声 力を求め、野望ある者たちは海へ飛び出した。
海賊たちにとっては、夢の時代である。
しかし、彼らの中には奪うことだけを楽しむもの達もいた。それは、力無き者たちにとっては虐げられる日々が続くことを意味している。
世界政府の管轄下にある海軍も、弱き者全てを助けることは出来ない。
ならば彼らは、誰に頼れば良いのだろう。
何に縋れば、救われるのだろう。
＿女たちは落胆する
「ほんと困ったもんだよ」
「誰も私たちみたいな者、気にかけやしない。」
＿男は、頭を抱える
「嗚呼、いつも泣いてばっかりさ」
＿子供たちは、訴える
「みんな言ってるよ。海軍も悪いけど、もっといけないのは！」
「僕お腹すいちゃった」
「仕方ないだろう。海賊が全部持っていっちゃったんだから」
＿少女は、立ち上がった
「そう！海賊よ！」
＿少年は、怒りをぶつけた
「勝手なヤツらのせいでさ！」
「みんな楽しくなくなっちゃったんだ！！！」
彼らは、涙を流した。ただ、同情して欲しかった。
哀れみを向けて欲しくて、この苦しみを理解して欲しくて。
「あんたなら分かってくれるよね？」
「お願い。」
ポツリと1つのキノコが暗い部屋の中で、温かみのあるランプに照らされた。
「わかってる。わかってるよみんな。私が、みんなが幸せになる新時代を作ってあげる。」
彼女は1人で、自分だけで真っ暗な道を進んだ。
ただひたすらに。
忘れたくて。思い出したくなくて。
でも、覚えていたくて、忘れたくなくて。
＿＿＿＿どうしたの？ウタ
彼らの思いがわかってしまうから。
ただひたすらに前を向いて歩いていく。
コツンと響く履きなれた靴の音も、思い出してしまった彼の笑顔も、全部に知らないフリをして歓声のする方へ
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作者名：パチュリー | 作成日時：2024年2月24日 4時
