水が13L ページ13
暫く泳ぐことの無かった私は、沈んでいくルフィの手を中々掴めずにいた。
すぐ上には船があるって言うのに、誰も居ないというのが何とも苦しい状況である。
精一杯、足を動かし目を凝らしながら沈んでいくルフィに手を伸ばす。
意識が遠のくルフィは、最後の力を振り絞って伸びた手を私へ向けてくれる。
その手を逃さないようにしっかりと掴み、ルフィの体を引き寄せ、近くにあった彼の大事な麦わら帽子もしっかり手に取る。
大丈夫。大丈夫だよ、ルフィ。
何があっても、約束は守るから。
『ﾝﾌﾞｯ……ｺﾞｯ』
息が持たず、上がる際に口を開いてしまい水が口内いっぱいに広がる。それと同時に、背中の痛みも増していく。
それでも、この足を止めることは無い。
せめてルフィだけでも、船に＿＿＿
＿＿＿＿＿
『ｹﾎｯ……ｹﾎｯｹﾎｯ』
ルフィを、甲板へ横たわらせる。
安否確認の為、大丈夫かと声をかければ弱々しながらも大丈夫だと返ってきてホッと一安心。
全身びしょ濡れのルフィに何か新しい服や、暖かい物でも持ってこようと床につけていた膝を上げて歩き出そうとすれば、背中に激痛が走りその場に崩れ落ちる。
「！……A…！！！おま、え、！せなか」
痛みに耐えるように拳を握り閉めれば、未だ上手く回らない口で私の背中を見て声を荒らげるルフィ。
背中に手をつければ、滲む赤。
痛みの原因はこれか、と自分自身で納得しつつも上手く体が動かない。
まだ治りきっていない体で、急激に海に潜り全身を動かせばこうなるか…と溜息をつきつつルフィに顔を向ける。
『これくらい大丈夫だよ、ルフィ』
「でも……で、も！」
今すぐにでも泣き出してしまいそうなルフィの頭を撫でて、安心させるようにゆっくりと言葉をかけながら麦わら帽子を彼の顔に乗せるようにして渡す。
そして、再びルフィに声をかけようと口を開いた時に後ろからバタバタと足音がしてくる。
きっと誰か帰ってきたんだ。そう思って、ルフィを診て貰おうと足音の方向へ視線を向ければそこに居たのは、ツインテールの彼女が1人ポツンと立っていただけだった。
彼女は私を見るなり、私の両肩を凄い力で掴み怒鳴りつける。
「なにしてるの！私見てたんだから！Aちゃんがルフィを突き落とすところ！」
『何言って…！』
そう言って、私の言葉に聞く耳を持たずそのまま強く押され、私は後ろに倒れ込んだ。
まって、このまま倒れたら私、わたし、
沈んでしまう。
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パチュリー(プロフ) - ときたま忍者になる大根さん» その為、作中他の女性陣にもメロメロになっているシーンがありますのでこれといって特別恋愛感情がある訳でも描写している訳でもございませんが、今後の展開も含めてご自由にご解釈なさって頂ければなと思います。この度は、コメント有難う御座いました。 (6月11日 3時) (
レス) id: 319e9235c5 (このIDを非表示/違反報告)
パチュリー(プロフ) - ときたま忍者になる大根さん» 傷が何かしらで開いてしまった際に対応できるように”治るまでは、船にいて”の意味合いがあります。また、サンジは夢主の事は仲間という認識です。恋愛意識は無いですが、他の女性陣同様キャッキャさせております。 (6月11日 3時) (レス) id: 319e9235c5 (このIDを非表示/違反報告)
パチュリー(プロフ) - ときたま忍者になる大根さん» まず1つ目として、夢主は深い傷を背中におっています。傷もまだ治りきっておらず、海の中に潜り手を伸ばし力を入れるだけで傷が再度開いてしまう。というものを作中で表現させて頂いております。そのため、傷を負っている夢主から目を離さないように、 (6月11日 3時) (レス) id: 319e9235c5 (このIDを非表示/違反報告)
パチュリー(プロフ) - ときたま忍者になる大根さん» 御意見御感想をお寄せ頂き誠に有難う御座います。本編の拙い文で理解ができない部分が多々ありましたようで、大変申し訳御座いません。此方のコメント欄にてお答えさせて頂きます。 (6月11日 3時) (レス) id: 319e9235c5 (このIDを非表示/違反報告)
ときたま忍者になる大根(プロフ) - 夢主がみんなに嫌われていなかったというのはわかるんですが、それならなぜ外出させてくれなかったんでしょうか？あとサンジの夢主への態度がほかの女性とは違う気がするのですがこれはサンジが夢主のことを恋愛的な目で見ているからなど意味が含まれているのですか？ (6月10日 5時) (レス) id: 2086425a99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチュリー | 作成日時：2022年9月26日 0時
