水が24L ページ24
ほんの少し前に、ジンベエさんに言われたことがあった。
「Aには、大切なものはあるか？」
" 大切 "という単語を聞いてトクンと心臓が1度跳ねた。
甲板で肩を並べるようにして海を眺める私とジンベエさん。その間を、冷ややかな風が吹き込む。
『たいせつな…もの』
考えたことも無かった。
血の繋がった父でさえ、私のことを使用人以下の扱いし。
私自身も、それが普通だと思っていた。普通では無いと知ったのは、ルフィ達と海に出てからのことであり、それまでは生きることしか考えておらず、大切なものなど何も無かった。
私にあるのは、広い世界を見てみたいという願望だけ。
それが今こうして叶ったということは、願望ではなく夢として叶ったということだと思う。
周りのみんなは、それぞれに大切なものが沢山あるという。
家族、兄弟、仲間 とか、その大切な人から貰った贈り物とか。人それぞれに想いが変わる。
『私には、分からないです』
期待の込めた声で問いかけてくれたジンベエさんには、" 無い "なんて無責任なことが言えなくて、言葉を濁してしまう。
それでも、彼は顔色一つ変えずに優しく相槌を打ち私に目線を合わせてくれる。
「それなら、これから見つけていけばよい」
「願わくば、その"大切"の中にワシやルフィ達が含まれることを」と私に微笑みかけてくれるジンベエさん。
私の手は微かに震え、急いで背中に隠す。
" お前！俺の仲間になれ！ "
" 俺も、レディなら大歓迎さ！ "
" いいんじゃねぇか？ "
" ルフィに誘われるなんて中々ね、あんた！さっきは助けてくれてありがとう、これからよろしくね！ "
" 貴方、体術を心得ているの？凄いじゃない。綺麗な顔して強いだなんて "
" スーパー大歓迎だぜ！ "
" 俺とも仲良くしてくれ！ "
" おいおい！お前ら一斉に話しすぎだ、困ってんだろ？ ったく。俺様の名はキャプテンウソップ！ よろしくな！ "
"ヨホホホホ ステキなお嬢さんですね。よろしくお願いします。ところで…パンツの色は… "
" よろしく頼む。"
懐かしいものを思い出し、じんわりと胸の辺りがポカポカと温かくなる。
「ねー！ナミー！遊びに行こーよー！」
「はぁ、しょーがないわね。ロビンも行きましょ。」
「…ええ」
しかし、それも一瞬。
次の瞬間には、遠いはずの声が耳元で何度も響き反射的に目を瞑ってしまう。
嗚呼、私は、あんなに意気込んでここまで来たのに、なんて、なんて、
弱いのだろうか。
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パチュリー(プロフ) - ときたま忍者になる大根さん» その為、作中他の女性陣にもメロメロになっているシーンがありますのでこれといって特別恋愛感情がある訳でも描写している訳でもございませんが、今後の展開も含めてご自由にご解釈なさって頂ければなと思います。この度は、コメント有難う御座いました。 (6月11日 3時) (
レス) id: 319e9235c5 (このIDを非表示/違反報告)
パチュリー(プロフ) - ときたま忍者になる大根さん» 傷が何かしらで開いてしまった際に対応できるように”治るまでは、船にいて”の意味合いがあります。また、サンジは夢主の事は仲間という認識です。恋愛意識は無いですが、他の女性陣同様キャッキャさせております。 (6月11日 3時) (レス) id: 319e9235c5 (このIDを非表示/違反報告)
パチュリー(プロフ) - ときたま忍者になる大根さん» まず1つ目として、夢主は深い傷を背中におっています。傷もまだ治りきっておらず、海の中に潜り手を伸ばし力を入れるだけで傷が再度開いてしまう。というものを作中で表現させて頂いております。そのため、傷を負っている夢主から目を離さないように、 (6月11日 3時) (レス) id: 319e9235c5 (このIDを非表示/違反報告)
パチュリー(プロフ) - ときたま忍者になる大根さん» 御意見御感想をお寄せ頂き誠に有難う御座います。本編の拙い文で理解ができない部分が多々ありましたようで、大変申し訳御座いません。此方のコメント欄にてお答えさせて頂きます。 (6月11日 3時) (レス) id: 319e9235c5 (このIDを非表示/違反報告)
ときたま忍者になる大根(プロフ) - 夢主がみんなに嫌われていなかったというのはわかるんですが、それならなぜ外出させてくれなかったんでしょうか？あとサンジの夢主への態度がほかの女性とは違う気がするのですがこれはサンジが夢主のことを恋愛的な目で見ているからなど意味が含まれているのですか？ (6月10日 5時) (レス) id: 2086425a99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチュリー | 作成日時：2022年9月26日 0時
