みかんが10つ ページ10
箱の中身は、金色に輝くピアス。
ワンポイントとして、みかんが付いていて風に靡く度に揺れる。市場で見つけた瞬間から、俺の脳裏では彼女が浮かび即決購入することとなった。
『ナミちゃんに似合うと思ってさ』
青を基調とした箱をずっと見つめ、指先でピアスのみかんの部分をなぞる彼女。俯いたと思ったら、バッと顔を上げて距離が近くなる。
そんなドキドキポイントも気にしていないのか、はたまた気付いていないのか。彼女は、満面の笑みで歯を見せて笑った。その笑みに心臓を撃ち抜かれて ウグッ と悶えてしまう。好き。
「ありがとうA」
『！……うん。ナミちゃんが喜んでくれて嬉しいよ』
久しぶりに面と向かって呼ばれた自分の名前。何の変哲も無い俺の名前が、彼女に呼ばれるとこんなにも嬉しいのか。その後も、ピアスを優しく手に取り頬に擦り寄せたりして喜ぶ彼女は、俺の心のシャッターで100枚以上収めた。この笑顔で、嫌なこともしばらく頑張れる。
『かわいいね、ナミちゃん』
「あ、ありがとう」
はしゃいだり、笑ったりしている彼女を見ていたら、不意に出てしまった言葉。せっかく誰の目も気にせずに喜んでいた彼女は、ピタリと動きを止めてガガガと効果音がつきそうなくらいに固まりながら此方へ振り返る。
それに笑っていれば、「も、もう！」と言って頬を膨らませて真っ赤な耳を隠すように背を向ける彼女。
可愛い、可愛すぎる。
少しからかうように、彼女の背に向けて『可愛いね。すきだよ』と言えばゆっくりと屈んで顔を両手で隠す彼女。
「ナァァァァミすぅわぁぁぁぁぁん♡♡♡ ご飯が出来ましたよ〜〜〜ん♡♡♡」
『チッ』
そんな贅沢な時間を、またもや邪魔される。
盛大に舌打ちをしてやれば「ァ”？」『フンッ』といつも通りの言い合いが始まる。
後ろでルフィやチョッパーが、早くご飯を食べようと急かしていてそれに気づいたサンジは、俺とナミちゃんの腕を引っ張りみんなと同じ場所に座るよう催促される。
出てくる料理は、一目見ただけで一流のシェフが作ったと分かる物ばかり。うちのクルーも頬張って食べている。
上手い上手いと口々に言うみんなを横目に、お皿に彼女の好みに合わせ盛り付けて渡せば、小さなお礼の言葉が聞こえてきた。
「この刺身うめぇな、酒が進む」
「ゾロさん、こっちも美味しいですよ」
クルーと、麦わらの一味の会話を聞きながら空を見上げる。星がキラキラと輝いて、俺の隣にいる彼女も輝いている。
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ぼくのなつやすみ(プロフ) - すごく素敵な作品ありがとうございました✨最高すぎた…！！次回作まってます！！ (2022年9月20日 19時) (
レス) @page24 id: 29fa08fccc (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - はぁん、、、すち😇最高すぎますって！更新が楽しみだァ！ (2022年9月20日 16時) (レス) @page22 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
もんちゃん - ヤバイ！！めっちゃ好きです！！主君ナミちゃん！！早くくっつけよ〜！！ (2022年9月20日 15時) (レス) @page22 id: 5340c227df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチュリー | 作成日時：2022年9月17日 19時
