みかんが5つ ページ5
＿＿＿side
「船長、少しお話いいですか。」
「ん、いいよ。どうした」
暖かい南の風が頬を撫でる。彼の綺麗に手入れされた髪が風に揺れほんのりと椿の匂いが香る。
今となっては、この匂いに心地良さを感じるほど慣れてしまった。
遠くからなのに、キャプテンとして何かをする彼の姿は普段とは一味も二味も違い、ギャップというものが垣間見える。
「キャプテン〜助けてください」
「あー、はいはい」
何かから逃げるように助けを求める彼のクルー。そんなクルーに、嫌の一言も言わず優しい目で微笑む彼。
今付けている眼鏡も、普段では中々見ることが出来ない為か新鮮感を覚える。
「気になるの？」
『ろ、ロビン……』
いつの間にか隣にいたロビンに声をかけられる。気になるか、そう聞かれれば違うと首を振りたくなるものの、気になるという思いがあるのは事実だ。
彼が私以外に見せる輝かしい瞳は、この世の財宝の何よりも眩しいと心底思うからこそ。
「そんなに気になるなら、自分から行けばいいのに。彼も貴方のことを待っていると思うのだけれど」
そんな言葉を聞いてしまうと、トクンと心臓が弾み気持ちが揺らいでしまう。でも、でもね、ロビン。私には、彼の気持ちに答える心の準備がまだ出来ていないの。
私ってば、卑怯よね。
” すきだよ ナミちゃん ”
彼に好きと言われる度に、心臓を射抜かれたように嬉しくなってしまうのに。
” だァァァ、可愛いすぎる ”
私のことを、可愛いと言ってくれる度に、体に熱が溜まっていくのが分かるのに。
” ナミちゃんは、俺の生涯のヒロインだから ”
そんなプロポーズ紛いなことを言われて、舞い上がってしまっている自分がいるのに。
『私怖いのよ……』
いつか来る未来が見えてしまいそうで、このときを永遠に留めておきたくて。
「ナミちゃん〜！クルーが美味しそうな果物くれたんだけど、サンジに美味しいフルーツティー作って貰って一緒にお茶会しよ〜！勿論、ロビンさんも！」
そう言って、微笑みこちらへ駆け寄ってくる彼。
昨夜は、初めて彼のシャワー後を目撃してしまい キャーとかワーとか言う感情をバレないように、借りていた服を投げつけた。
そんな私を、嫌わずに好きでいてくれる。
「なんで俺が作る前提なんだよ、このクソガキ！」
「うっせぇ、変態コック！」
「やんのかゴラァ”」
「オ”オ”ン”？」
私は震える指先をそっと机の下に隠して、彼へ視線を向けた＿＿＿
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ぼくのなつやすみ(プロフ) - すごく素敵な作品ありがとうございました✨最高すぎた…！！次回作まってます！！ (2022年9月20日 19時) (
レス) @page24 id: 29fa08fccc (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - はぁん、、、すち😇最高すぎますって！更新が楽しみだァ！ (2022年9月20日 16時) (レス) @page22 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
もんちゃん - ヤバイ！！めっちゃ好きです！！主君ナミちゃん！！早くくっつけよ〜！！ (2022年9月20日 15時) (レス) @page22 id: 5340c227df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチュリー | 作成日時：2022年9月17日 19時
