みかんが13つ ページ13
「キャプテン！大変です大変です！」
欠伸をしながら、明るくなった空をボーと見つめ昨日の可愛らしい彼女を思い出していれば、後ろからバタバタと叫びながら来るクルーに『はい。おはよう。』と言えば「あ、おはようございます……」と返され、すぐに先程の焦った顔に戻る。
「じゃなくて！大変なんです、キャプテン。国王が孫娘に人目でも会えば気が変わるのでは…と会食を取り付けられてしまいました！勝手に！」
昨夜、こっそりと船を出し彼女にだけお礼を言って海を進んでいて心底良かったと思った。この会話を聞かれていたら俺の心臓が幾つあっても足りない。
一体、何のつもりなんだあのクソ国王。俺にはナミちゃんだけなんだよ！今すぐにでもあの国潰してやりたい。そう思いながらクルーに言う。
『今すぐ船を出せ』
その言葉を合図に船が出る。それと同時に溜息をひとつ。
クルー達が忙しなく働く中、俺は1人愛しの彼女を思い出すだけ。あんな王国に帰りたくない、いっその事潰してしまおうか。
戻りたくない。
あんな場所にはもう二度と。
戻りたくない。
＿＿＿＿＿＿
「ホッホッ、そうじゃろうそうじゃろう。」
「うふふ、そうですわよね」
つまらない、息が詰まる。目の前に居る王族2人は、俺が楽しんでいると思っているのか、はたまた気にしていないのか2人で盛り上がり話を進めている。
早く来月にならないかな、ナミちゃんに会いたいよ。
「ほれ、これも美味いぞ。」
そう言ってお皿に盛ってくる国王。貼り付けた笑顔でお礼を言えば、さらに早く食べろと催促される。
『……いただきます』
抗えずそこで俺は食べてしまったのだ、睡眠薬入りのご飯を＿＿＿＿
『……ウッ』
急な変化に、何かあった時の為にと念押しされた付けていたインカムからクルーの慌てる声が聞こえる。
音がどんどん遠のいていき、視界もグラグラと揺れる。
最後に聞こえたのは、聞きたくない王族の高らかな笑い声と、カチャッと音がする金属音のみ。
こんな時でも、脳裏に浮かぶのは華やかな笑顔を見せる彼女で、俺の心にはいつだって彼女だ。
嗚呼、早く会いたいな
そこで俺は意識を手放した＿＿＿
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ぼくのなつやすみ(プロフ) - すごく素敵な作品ありがとうございました✨最高すぎた…！！次回作まってます！！ (2022年9月20日 19時) (
レス) @page24 id: 29fa08fccc (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - はぁん、、、すち😇最高すぎますって！更新が楽しみだァ！ (2022年9月20日 16時) (レス) @page22 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
もんちゃん - ヤバイ！！めっちゃ好きです！！主君ナミちゃん！！早くくっつけよ〜！！ (2022年9月20日 15時) (レス) @page22 id: 5340c227df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチュリー | 作成日時：2022年9月17日 19時
