みかんが12つ ページ12
宴も程々に、先程とは打って変わって静かになった2隻の船。麦わらの一味は勿論、クルー達も雑魚寝状態。
今は、手すりに身を預け海をただ真っ直ぐ見つめている。
『綺麗だな』
水面に反射する空の景色は、また一段と美しく星が無限に広がっていた。手を伸ばせば届きそうなのに、指先を近ずければ小さく波を打つ海。一瞬で星が消え、そのまた一瞬で星が現れる。
ふいに頬がヒヤッと冷たくなり、反射的に振り返れば彼女が居た。シシシと少しルフィに似てきた悪戯な笑みに、不覚にもドキッとしてしまう。可愛い。
『どうしたの、ナミちゃん。眠らなくて大丈夫？』
そう問いかければ、「Aこそ、寝なくていいの？」と返ってきた。心配してくれてるのかな、なんて少し期待してしまう。緩んだ頬を引き締めて頷けば、彼女もそのまま俺の隣に並ぶ。
露出の多い服を着た彼女に、自分が着ていた服を肩にかける。そうすると、彼女は両手で服をギュッと掴み微笑む。
天使だ、可愛い。
「ねぇ、ロビンから聞いたんだけど…」
そう言って、言いずらそうに話す彼女に優しく『なぁに？』と聞けば意をけして口を開く。
「その…お見合いするって……」
『ん？』
まてまてまてまて、なんだ何だ。今、お見合いするっつった？誰が？俺が？ナミちゃんが？ん？ とパンク寸前の頭で『だ、だれが？』と質問すれば、弱々しく返ってくる。
「Aと……どこかのお姫様が……」
『はぁ？？！？！？！』
ロビンさんのさっきの言葉はこれだったのか……と片手で頭を抱えて溜息を着く。彼女に誤解されては困る、しっかりと誤解は解いていかないと。
『あのね、ナミちゃん。確かにあのクソ国王にお見合いを提案されたのは事実だけどね』
「やっぱり……」
俯いて水面に移る景色を見続ける彼女。一切俺の顔を見てくれる気配がない。痺れを切らして、彼女の肩を掴みこちらに向かせ言う。
『俺には、ナミちゃんしか居ないから！生涯一緒にいるって決めたのもナミちゃんだけ！お見合いはちゃんと断ったから』
最後に『俺が好きなのは、世界で1人。ナミちゃんだけだよ』と熱の篭った声で言えば、数秒硬直した後に顔を背けて「そう…よね…」という彼女。
彼女の手をそっと取り、手の甲に口付けをすれば驚いて肩を揺らし再度こちらへ振り返る。
顔は真っ赤になり「っ……」と空いている片手で顔を覆う。
そんな姿も堪らなく愛おしい。
『好きだよ、ナミちゃん』
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ぼくのなつやすみ(プロフ) - すごく素敵な作品ありがとうございました✨最高すぎた…！！次回作まってます！！ (2022年9月20日 19時) (
レス) @page24 id: 29fa08fccc (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - はぁん、、、すち😇最高すぎますって！更新が楽しみだァ！ (2022年9月20日 16時) (レス) @page22 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
もんちゃん - ヤバイ！！めっちゃ好きです！！主君ナミちゃん！！早くくっつけよ〜！！ (2022年9月20日 15時) (レス) @page22 id: 5340c227df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチュリー | 作成日時：2022年9月17日 19時
