体調が不良気味のようです【QK】-12-

風邪 / ymmt & izw -ぱんけーきさんリク- ページ8

伊沢｢ゲホッゲホッ｣


オフィスまでの道を歩きながら咳を繰り返す。


家でわざと計らなかったけれど、これやばいかも。


流石に隠せる自信もないし、オフィスに着いたら誰かに言おうかな。


須貝さん？


いやいや、でも須貝さんに言っちゃったらその後オフィス中に聞こえるような大声でアナウンスされそう。


やっぱりここは福良さんかな。


あんまり大袈裟に思われたくもないし、1人に言っておけば十分でしょう。


そんなことを考えていると、いつの間にか目の前にはオフィスの扉が立っていた。



執務室ではいつも通りの光景が広がっている。


福良さんには言おうと決めていたのに、なかなか言えず、とりあえず自分のデスクでコンピュータとにらめっこをしていると


河村｢あれ、山本？｣


河村さんの声に其方を見ると、少し顔の赤い山本がいた。


え、これってもしかして……？


河村｢山本、もしかして熱ある？｣


山本｢あははー……バレちゃいました？｣


いや、流石に分かるわ。


福良｢みんな、山本の看病も順番にしよう。山本はとりあえずそこで大人しく寝ててね｣


あの福良さんの不敵な笑顔。


山本｢はい……｣


言い方は柔らかいのに従うしかなくなるんだよな。


山本は川上に支えられながら、ソファへと歩き、横になった。



みんなで山本の看病をすることになり忙しなく動く中、山本も体調が悪いのならいっそバレないようにと一生懸命動いていたけれど、俺の体調もどんどん悪い方へと傾いていく。


やばい、このまま山本の看病をしていたら、俺が倒れてしまいそう。


でも、辛そうな山本を見ていたら助けてあげたいと思うしな。


いや、もしここで俺が倒れたら、みんなの負担が大きくなる。


少しだけで良いから、横になりたい。


俺はみんなにはバレないように仮眠室へと向かった。



伊沢｢はあ、はあ……｣


呼吸をするのがちょっと苦しい。


朝より熱、絶対に上がってるな。


ガチャッ


急に仮眠室の扉が開いたと思ったら｢居た｣なんて聞えてきて、そっちに目線を向けると福良さんが立っていた。


福良｢須貝さん、居ました｣


福良さんがそう言うと｢あ、見つかったの？｣という言葉と共に須貝さんが仮眠室に入ってきた。


福良｢伊沢、何してんの？｣


伊沢｢それは……｣


俺も熱があるから寝てたなんて、言えない。


福良｢みんな山本の看病を頑張ってるのに、何で伊沢は寝てるわけ？｣


え、福良さん怒ってない……？

2→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す