体調が不良気味のようです【QK】-12-

記憶喪失 / ymmt -グデぱんださんリク- ページ30

山本｢ゔっ……｣


僕は今、真っ暗闇の中、暴力を振るわれている。


可笑しいな。家に帰ろうとただオフィスから駅までの道を歩いていただけなのに。


人通りの少ない路地へと腕を引かれたと思ったら、見覚えのない男に頭を殴られて……。


いつの間にか知らない場所に居た。


目の前に現れた男に急に目隠しをつけられて、そのまま殴られたり蹴られたりしている。


腕は後ろ手に拘束されていて、抵抗なんてしてみても何の意味もない。


ただ、相手の逆鱗に触れるだけ。


｢何、反抗的になってんだよ！調子に乗んな！｣


山本｢ゔっ……！｣


目隠しで方向も分かんないし、どこから飛んでくるかも分からない手足に怯えることしか出来ない。


誰か、助けて……。



伊沢｢山本……？｣


ゆっくりと目を開くと、人工的な光りが目に射し込む。


渡辺｢山本さん……！｣


心配そうに僕を見つめるたくさんの顔。


僕は何が何だか分からなかった。


この人たちは……


山本｢誰ですか……？｣


山本？山本って誰……？


僕は……。僕は、誰なんだろう……。



〜wtnb side〜


無数の痣に左腕のヒビ。


痛みやら何やらで気絶したらしい山本さんは命に別状はないそうで、みんな安心しながらもどこか落ち着かない気持ちでひたすら山本さんが目覚める時を待っていた。


ゆっくりと開いた目に、みんな安堵を浮かべていると


山本｢誰ですか……？｣


山本さんの1言目にみんな驚いた。


山本｢皆さんは誰ですか……？山本って……？｣


須貝｢え、これってどういう……｣


福良｢これってそういうこと？｣


川上｢もしかして……｣


そんなこと考えたくないけれど、そうだとしか思えない。


医師の診断によると、頭に受けた強い衝撃とあの出来事のショックから記憶喪失になっているらしい。


念の為に精密検査をしてもらったけれど特に異常は見つからず、左腕のヒビ以外に大きな怪我はないらしい。


山本さんは5日後、退院することになった。

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