体調が不良気味のようです【QK】-11-

精神系 / kwmr -奏さんリク- ページ2

ジャラジャラという音が暗く静かな部屋に谺する。


毎晩響くこの音は、家でもオフィスに泊まる時でも俺を落ち着かせるのに欠かせないもの。


1ヶ月くらい前に試しに使ってみたこれの効果は絶大で、今では眠る時に必ず頼るようになってしまった。


これがないと眠れない。


だからオフィスに泊まらざるを得なくなった時は、誰か他のメンバーも一緒だったらその人が眠るのを待ってから。


そうやって細心の注意は払っているつもりだった。



だけどある日、いつものように他のメンバーが出たのを確認してから瓶を鞄から取り出した時


ガチャッ


福良｢河村……？｣


伊沢｢何してるんですか？｣


山本｢その手に持っているものって……｣


予想外なことが起きると人間って本当にフリーズしちゃうんだね。


もう帰ったと思った人たちが急に入ってきたから思考回路が停止しちゃって、おかげで睡眠薬を持っているところを見られてしまった。


河村｢いやいや、何にもないよ｣


そう言いながら鞄の中に押し込んだけれど


福良｢いや、もう見ちゃったから。戻しても遅いよ｣


伊沢｢これ、睡眠薬ですよね？なんで……｣


完全にバレちゃった。


最悪……。


俺が、どうしても眠れなくて手を出したのは良いが


1度の量が増えていっていると話すと、みんながやめられるように協力してくれる事になった。


仕事のことで知らないうちにストレスが溜まっていたんだと思う。


睡眠薬が要らなくなるまでタスクを減らしてもらえることになって、そのしわ寄せは他のメンバーみんなにいく訳で


申し訳ないと思いつつも、俺のことを考えてそうしてくれてみんな快諾してくれて嬉しかった。


渡辺｢俺、やりますよ！｣


特にこうちゃんが引き受けてくれる数が多くて


河村｢ごめんね、ありがとう｣


こうちゃんが必死に見えたから、そう伝えた。


渡辺｢いえいえ！俺がやりたくてやっているんで！｣


みんなが俺を責めずにいてくれたから、俺も自分の仕事に集中出来た。



でも……


それから2週間が経った頃から、日に日に何だか可笑しくなっていくメンバーがいた。


ブツブツと何か言っていたり、ずっと何かに焦っていたり


あれは誰がどう見てもいつものこうちゃんじゃない。


何かあったのかな。

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