体調が不良気味のようです【QK】-10-

精神系 / kwmr -名無し60622号さんリク- ページ26

俺、何がしたいんだろ……？


手首から溢れ、腕を伝う赤を見つめながら、ボーッとそんなことを思う。


昼間は、大学でいじめられ


その後、オフィスで何事もないかのように演じ


夜に、どうしようもないモヤモヤを手首にぶつける。


本当に何がしたいのか分からない。


俺、何のためにこんな毎日を繰り返しているんだろ？


泣こうにも泣けないほど渇いた心を軽くするには、もうこの僅かな痛みを感じるしか無くなっていた。


それに、手首に傷をつけることで、いじめでできた痣の痛みも和らげることができた。


もうこんな生活を1ヶ月も続けている俺の手首には、何本もの赤黒い線が交差していた。



あーやばい。


めっちゃ寝不足。


その理由は、夢の中でもいじめられたから。


その悪夢の所為で、何度も魘されては何度も目を覚ました。


今日は大学は休みだし、朝からオフィスに行く。


全ての準備を終わらせた後、俺は絶対に忘れてはいけないあれをつけた。


河村｢元々腕時計をつける人間で良かった｣


今までは時間を確認するためにつけていたけど、今はそれにプラスしてリスカの痕を隠すためにもつけている。


ちゃんと隠すために今までより太めのものを選んでつけるようになった。


これで、みんなにバレることはない。



そう思っていたのに……


どういうことだ？


今のこの状況は。


伊沢｢取り敢えず……取りましょうか。腕時計｣


どうしてこうなった？


福良｢隠しているかどうかは、その下を見れば分かりそうだし｣


遡ること僅か15分前。


オフィスに到着した俺は、執務室に入って迷うことなく自分のデスクに向かった。


その時


伊沢｢河村さん。話があるのでちょっといいですか？｣


河村｢え、良いけど……｣


俺を呼んだ伊沢と、何故かついてくる福良と3人で仮眠室に入った。


伊沢｢単刀直入に言いますけど……河村さん、隠していることありますよね？｣


河村｢隠していること……？｣


福良｢例えば……その腕時計とか｣


腕時計って……！


河村｢いや、何も隠してないよ｣


もしかして……バレてる？


そんな会話を経て、今に至る。

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