体調が不良気味のようです【QK】-9-

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カタカタと鳴らす指まで、重く感じる。


仕事で紛らわすのも限界が近づいていた。


ふと時計を見ると、短針がもうてっぺんを通り過ぎていて


流石に伸びをした。


あの資料、どこやったっけ？


あっちの部屋か……取りに行かないと……。


パパッと取りに行って、さっさとやってしまおう。


椅子を引いて立ち上がった……ところまでは良かったんだけど


俺の体力は底をついていたみたいで、その場で立つことすら出来なくなっていた。


全身に力が入らずどんどん倒れていく体は、まるで自分の身体じゃないような、神経が繋がっていないような。


でも風邪のしんどさだけは全身で感じていて、もうよく分からない。


頬に感じる床の感触。


冷たくて気持ちいいと感じてしまう俺は、また完全に悪化しているんだろうな。


河村｢福良……！｣


あれ？河村の声が聞こえたような……。


今日、河村はオフィスに来ないはずなのに。


そんなに重症なのか……。


俺はそのまま意識を失った。



福良｢ん……｣


ゆっくりと目を開けると、そこには須貝さんの姿があった。


須貝｢福良！大丈夫？執務室で急に倒れて、めっちゃびっくりしたよ｣


福良｢すいません｣


河村は……いないか。


やっぱり俺の幻聴？


須貝｢俺、昨日オフィスに来なかったから知らなかったけど、昨日から熱があったんだって？｣


福良｢……はい｣


ガチャ


河村｢あ、起きてる｣


福良｢河村……｣


あれ、やっぱり俺の勘違いじゃなかったんだ。


須貝｢今起きたとこだよ｣


河村｢そうですか……。で、福良？これはどういうこと？｣


やべ……。


河村の表情はいつもと変わらないけど、目の奥が笑っていない。


河村｢俺、絶対にオフィスに行くなよって言ったよね？｣


福良｢うん……｣


河村｢念の為にL○NEも送っといたのに……｣


止める人がいないから良いやって思っちゃった朝の自分を恨む。


やらないといけないんだから仕方ないでしょって、あの時に暗示をかけた自分も。

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