愛月徹灯。~Sho.Hirano~ (ページ10)

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キンプリさんといる時間はあっという間で、気がつけば夜10時を回っていた。

呼び名も親しくなり、さん付けから紫耀くんと同じ様に下の名前で呼ぶようになった。

皆はにこにことしてくれて嬉しかったけど、紫耀くんだけは不服そうで

“…俺だけのAちゃんやのに”

なんていじけてくれて。

何だか今更になって高校生の気分になった。

高「俺、AちゃんのLINEほしい！」

岸「あっ、ずりー！俺も！」

岩「岸くんはダメ」

岸「何でだよ！！」

海人くんの一言で私はキンプリの皆さんとまたもやLINEを交換してしまった。

電話番号を簡単に交換していいのか優太くんに聞くと“まー何とかなる！”という返事が聞こえた。

「もう！俺が送ってくから皆Aちゃんに寄んな！」

『え、っ… わ』

ぐいぐいと引っ張られる内にドア付近まで近付いてしまった。

丁度そこにいた廉くんに一言、誰にも聞こえないような声で言った。

永「Aちゃん、紫耀だけは気をつけなあかんで」

返事はすることが出来なかったが、その言葉が胸に引っかかったまま取れることは無かった。

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