愛月徹灯。~Sho.Hirano~ (ページ14)

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「…へぇ」

突然紫耀くんが私をベッドの上に押し倒した。

私を見つめる紫耀くんは何一つの感情も顔に出ていなかった。

『え…っ？』

「…自由、手に入れるんやろ？やってみいや」

さっきの質問から応答までを反芻する。

そして、自由を手に入れるという答えは紫耀くんの逆鱗に触れた事に今更気が付いた。

「俺な、ほんまは好きな子は閉じ込めておきたいねん。」

「Aちゃんが鳥やったらずーっと籠の中に入れておきたい。」

「出してー出してーゆうて泣いても絶対ださへん」

「Aちゃんはな、籠の中でずーっと泣いてればええねん。それが一番幸せやねん」

淡々と告げられた言葉の中に常識なんてものは存在しなかった。

あの時いた紫耀くんは誰だったのか。

私の笑顔が好きだと言ったのは嘘だったのか。

────私は今まで、裏切られていたのだろうか。

「…ほら、泣いてる顔が一番かわええよ」

優しく慈しむように彼は

私の目の縁を流れだした涙を見ながら、ゆっくりと頬を撫でた。

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