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それから数秒してガチャ、とドアが開いた。
不器用だから寝た振りなんかできるはずなくて、イライラした顔をした紫耀くんと鉢合わせしてしまった。
「起きたん？よく眠れた？」
『あ…はい…』
さっきまでの紫耀くんは嘘なのではないかと思えるほどにいつもの暖かい雰囲気が彼を包んでいた。
「んじゃ、Aちゃんに一個質問な」
『何ですか…？』
「“籠の中にいるか、命を危険に晒してでも自由を手に入れるか”どちらがいいでしょう？」
『え…？』
クイズ形式で聞かれた質問は、何故か激しい戦慄が走った。
籠の中にいる、というべきなのか
自由を手に入れる、というべきなのか
紫耀くんの表情からは何も読み取れない。
『私だったら、────』
“自由を手に入れます。何が何でも。”
そう告げた瞬間、彼の目が変わった。
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作者名：まりも | 作成日時：2018年9月21日 23時
