愛月徹灯。~Sho.Hirano~ (ページ11)

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結局永瀬さんの言葉の真相は分からないまま、一ヶ月が経とうとしていた。

時が進むにつれて紫耀くんとの距離も進展していき、仲が深まっていた。

「Aちゃん、！久しぶり！」

『紫耀くん！久しぶり～！』

今日は遂に紫耀くんの家に遊びに来るという芸能界のタブーを犯してしまった。

私の中の決心はこんなにも脆かったのかと少し自分にがっかりする。

だからといって、今更紫耀くんの誘いを断る訳にはいかない。

あの眉の下がった悲しそうな顔はもう二度と見たくない。

『お邪魔しまーす！』

「おん、おじゃまされます！」

やっぱり天然な彼と一緒にいるのはなんだかんだ楽しい訳で。

やめようかなとも思わなくなってしまった。

「暑かったやろ？お茶飲み？」

『あ、ありがとうございます！』

いつの間にか火照っていた体を出された麦茶を飲んで冷やそうと試みる。

氷がからんころんとなって、涼し気な音を出す。

その涼し気な音を聞いているからなのか、いつの間にか意識が深く深く落ちていった。

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