無 気 力 神 様 系 女 子 。

▽"You" ページ32

。。。







「…ミストも声も貴女のせい？」

『……』

「あくまで黙ってるつもりね。まぁ通報しちゃえば終わりなんだけど…」

『！！』





私が通報、の言葉を出した途端にまた別のメンバーから『ゆりちゃんっ！！』と呼ばれた。


「今の、ラウール…っ」



どういう事？？目の前に犯人は居るでしょ？？単独犯じゃなかったって事……？？




「仲間が居るの？」

『……』

「もう良い、端に行って体育座りして大人しくしてて」


『……はい』



唯一話した言葉がそれか。

まぁ良い、スマホのライトも武装用の武器もある。





だが私の余裕も虚しく、次々メンバーの声が減っていく。

どういう事、どれだけ見渡しても怪しい人なんて居ないのに…。




「っ、今居るのは誰？？」

佐久間「佐久間いるよ！！」

深澤「深澤も、横に舘様が居る」



「三人…」


あんなに騒がしかった楽屋が一瞬にして密室拉致の現場に…トリックは何？？と私が混乱していると、突然楽屋内のあらゆる物がガタガタと揺れ始めた。

地震かと思ったが地面とかの揺れは無い。




「チッ…What's going on…(どうなってんのよ…)…ッ」


マジで何も分からない、未知がこんなにも冷静を奪い去って行く。

メンバーが居ない、それだけでこんなにも呼吸がしにくいものなのか、外国に居た時私は普通に生活出来ていたのに、いざ会ってみればこれだ。


…本当は、だから嫌だった。躊躇ったのに。





弱くなりたくない。弱い所を見せたくない。


強くなりたい、全部背負っても平気なくらい。







「もうやだ……」


思わず弱音が溢れた所で、カチッと楽屋に明かりが着いた。停電が終わったらしい。

近くには大介と辰哉、涼太のみだった。


皆私を見て泣きそうだったり困った顔をしていた。





バンッ！！


スタッフ「大丈夫でしたか…？」

「…何も大丈夫じゃない、です」


スタッフ「メンバーの皆さんは無事ですよ」

「…何故カメラを回しているんですか？」



そんなに面白いか？と睨み上げると、スタッフさんが慌てて訂正した。

これはドッキリだと。





「…は………ドッキリ？？」

佐久間「佐久間たちも何も知らなかった……」


宮舘「本当に、このまま全員失うくらいなら俺が、とか思い始めてた…」

「…じゃああの人はエキストラの演者さんですか？」



端で申し訳なさそうにしている女の人を見た。

もう本当に何もかもやってられない。






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