二杯目 ページ9
カランコロン♪
『いらっしゃいませ…あ、あの時の!』
「お礼がしたくて、また来ました」
いつも通りにお客様を出迎えると、そこに立っていたのは先日私が人助け?をした男性だった
以前より柔らかい雰囲気で照れくさそうに話す姿はちょっと可愛い…なんて思ったり
いけない、いけない
私ったらお客様に向かって何を考えてるの
『お礼なんて構いませんよ!でも来てくださってとても嬉しいです!』
営業スマイルでそう言うと、男性はパッと顔を輝かせた
「良かったです。迷惑か心配したんですけど」
『そんな、迷惑なんてことありませんよ!…あ、お好きな席へどうぞお座りくださいね!』
そう言って離れようとすると
「あ…待って!…ください」
そう言って腕を掴まれた
突然のことに驚いてよろめくと、私の身体を支えてくれる
わ…意外と筋肉質で、男の人っていう感じだ
見た目では想像出来なかった男らしさを感じてドキっとした
『す、すみません…!』
「あ、いえこちらこそ急に引っ張っちゃってすみません」
これを渡したくて、と差し出されたのは綺麗な模様の栞、だった
『…綺麗』
「あの日のお礼に、ぜひ受け取って貰えたら」
花をモチーフにした金属の栞は私の好みどストライク
『ありがとうございます!!あ、お名前を存じ上げないのでなんとお呼びしたらいいか…』
ふはっと笑う彼と私の間にもう壁はなかった
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kotorei - 最高でした…‼︎これからもまったりと待ってます‼︎大好きてす‼︎ (2022年5月8日 9時) (レス) @page26 id: dc0273847d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:燈 | 作成日時:2022年3月18日 3時