ソノ恋ハ、珈琲ト共ニ (ページ34)

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たまには違った飲み方をページ34

－ U Side －

『いらっしゃいませ』

Aの声にチラリとドアの方を見た

この時間は2人っきりになれるからと思っていたのだが、今日は予想外の来客だ

「おねーさんがマスターやってるの？すごいね！」

『ありがとうございます』

入ってきた客は見るからにチャラそうな若者でAに馴れ馴れしい態度で話しかけている

俺は大人だ、嫉妬なんて見苦しいマネはしない

そう心に言い聞かせて作業を続けるも、向こうの様子が気になってしまって進みそうもなかった

「おねーさんの名前、なんて言うの？」

『Aです』

「それは上でしょ！下の名前だってばー」

ケラケラと笑ってそう言った男がAの手を取る

指を絡ませる様子に耐えきれず、ギリっと奥歯が鳴った

気がつくと両手は握り拳を作っていて

俺は怒りにも似た感情をグッと堪えた

『…A、です』

「Aちゃんね！覚えたわ！」

真面目に答えんなよ！と叫びそうになる

客だから邪険に出来ないのかもしれないけど…触らせすぎだろ！

「ねえ、Aちゃんって彼氏いるの？いないなら俺がなってあげてもいーよ？」

『…プライベートな質問にはお答え出来かねます』

そんな会話が聞こえた辺りで、俺は理性を失った