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気合いを入れ直した後、風牙の都に向かいながら2人の痕跡を探した。しかしなかなか見つけることはできず、日は登り、そして沈んでしまっていた。
もう都に着いたのだろうか、と山での合流を諦めたそんな時、ヨナの小さな悲鳴が聞こえた。そして急ピッチでその方向に向かったのだが、少し時間が経つとさっきの方向とは違う所でハクの声が聞こえた。方向転換したりして、まあ、なんやかんやあって、目の前に驚いた顔の2人がいる。
2人の顔を見ると、自分の中から何か溢れるのを感じ、思わず飛びついた。
『良かった!!無事会えた!!』
ぎゅうぎゅうに2人を抱きしめ、自分の頬を擦り付ける。
ハク「……ちょ、姉貴」
ヨナ「………A…っ」
その後ヨナの頬を両手で包み、目に涙を浮かべたヨナと目が合う。目元を優しくなぞり、そして顔や身体に傷らしきものが無いか確認する。一見ヨナは無さそうだが、見えてないだけかもしれない。
『大丈夫?私が来るまで転んでない?怪我はない?』
ヨナ「…………ハ、ハク…」
直ぐにハクに目をやり、全身を上から見ると左足に包帯が巻かれていた。
『……あっ。ハク、その足は……?』
ハク「……蛇に噛まれただけだ。問題ない」
包帯を巻いてるようだし既に処置が終わったように見える。それに、ヨナの悲鳴が聞こえたのは、蛇が関係していたのだろうか。
『痛くなったら私に言いなさい。いつでも肩貸すからね。そして都に着いたら即刻医者に見てもらいなさいね。』
分かった?というふうにハクの背を軽く叩いた。少し間を空け、短い返事が返ってきた。いい子いい子
それにしても辺りはまだ暗い。今から動くのもな…
『あっ、もしかしてさっきまで寝てた?起こしてごめんね。とりあえず朝まで寝ましょうか』
ヨナは小さく頷いた。やはりヨナのいつもの明るさがない。しかし予想ほどでは無い。ハクが何か言ってくれたのかな
ハク「俺が見張りやるから、姫さん見てもらってていいか?」
『いいや、私が見張りをするからハクが寝てて』
ハク「…頭に葉っぱ、顔に汚れ。ずっと探してくれてたんだろ?姉貴こそ寝ろよ。姫さんもその方が安心するだろ」
そう言って私の髪に手を伸ばし、付いてたと見られる葉を見せてくれた。
『いいや、怪我人こそ大人しく寝な。それにずっと気、張ってたでしょ?あと、私もハクも変わらないわ。ハクと一緒にいると私は安心する。ヨナも一緒よ』
ハク「……」
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蒼月(プロフ) - クロウサさん» リクエストは前回にも述べさせて頂いたとおり、お作りすることはいたしません。理由と致しましては、作品制作に関してのリクエストは受け付けていないためです。長い期間をあけての返事となってしまい、大変申し訳ありません。引き続き読んで下さると嬉しいです! (12月21日 23時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - この前の、リクエストの件書いてくださいますか? (9月4日 7時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - 大丈夫ですよ。 (9月3日 3時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» すみません!!今誤字っているのに気が付きました!!初めて!じゃなくて初めまして!です!!すみません!!何とも恥ずかしい間違いをしてしまいました!! (9月2日 23時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» 初めて!コメントありがとうございます!こちらこそ この小説を読んで頂けてとても嬉しいです!リクエストなのですが、申し訳ありませんがお作りすることはいたしません。本当にすみません。成り代わりではありませんが、引き続きこの小説を読んで下さると嬉しいです! (8月30日 22時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2023年3月21日 21時