〈22〉 ページ24
『…確かこっちから…』
矢の射られた音よりあらかたの方向は掴めているため、その方向に向かって走った。確かこの方面には陛下の寝室があったはず
走れば走るほど、城内の地図的に陛下の寝室に近づいていっている。できれば違っていてほしいのだが…
ものすごく嫌な予感がする
衛兵と思しき人達の足音と内容は分からないが声はするのに、1人も会っていない。
主に聞こえる場所は城塀の近くだから、矢の犯人を追っているという可能性はある……が、見回りの隊長の1人である私に誰からの知らせも来ていないのはおかしくないか?
各自、担当場所があり、それを元に衛兵が徘徊する手筈である。深夜では人の数を減らしはするが、基本的には交代して一日中見回りは続く。私が座っていた場所も見回り順路のはず。
私を起こさず見回りを続けていたってこと?それとも任務を放棄していた?
そうであって欲しくない。こんな大事な日の警護の任務放棄は、サボりならまだ良いが、反逆や謀反に繋がっている危険性が大いにある。
できれば私が怖くて起こせなかったという説を推したい。ほんと何で寝てしまったんだ。そんな飲んだか…?
角を曲がり、目的地より手前の陛下の寝室に着いた。目的地は陛下の寝室では無かったものの、基本閉まっている寝室の扉は全開であった。
ドクッドクッと重い鼓動を感じる。部屋にそっと入ると、人が床で仰向けに倒れていた。暗くてよく見えにくいが、何やらその人の周りに液体が広がっているようだった。
『……陛下!!』
駆け寄り、顔を確認する。目を閉じられている陛下だ。口からこれまた液体が垂れている。身体には1つの刺 傷。
血だ。この液体全て血だったんだ。
失礼ながら陛下の手を掴み、その手首に自分の指を当てた。
……お願い…お願いします。1度でもいい、1度だけでもいいから、脈打ってて…
ヨナが…ヨナが悲しむから、……動いて
『…………』
しばらく指を当てていたが、その後陛下の手をそっと陛下自身の腹部の上に置いた。
……脈がない。…なかった。
陛下の手に触れて、私の手に着いた血を見る。
どうしようもない虚しさと自分に対する怒りが湧く
『………』
その場で立ち上がり、本当の目的地であるこの先の広場へ歩いた。
広場には数人の衛兵と、
スウォン
がいた。
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蒼月(プロフ) - クロウサさん» リクエストは前回にも述べさせて頂いたとおり、お作りすることはいたしません。理由と致しましては、作品制作に関してのリクエストは受け付けていないためです。長い期間をあけての返事となってしまい、大変申し訳ありません。引き続き読んで下さると嬉しいです! (12月21日 23時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - この前の、リクエストの件書いてくださいますか? (9月4日 7時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - 大丈夫ですよ。 (9月3日 3時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» すみません!!今誤字っているのに気が付きました!!初めて!じゃなくて初めまして!です!!すみません!!何とも恥ずかしい間違いをしてしまいました!! (9月2日 23時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» 初めて!コメントありがとうございます!こちらこそ この小説を読んで頂けてとても嬉しいです!リクエストなのですが、申し訳ありませんがお作りすることはいたしません。本当にすみません。成り代わりではありませんが、引き続きこの小説を読んで下さると嬉しいです! (8月30日 22時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2023年3月21日 21時