〈2〉 ページ3
昼の時間帯になり、稽古はひとまず切り上げ皆で昼食をとる。もちろん私も皆と一緒にご飯を食べている。わざわざ自分の部屋に移動して1人でご飯食べるより良いしね
配膳係である一兵卒の人達にも顔を覚えられ、話しかけてくれるまでになった……まあ、私がひたすら話しかけたからなんだろうけど
向こうが気を許してくれているようで私は嬉しい。皆の身近の話とか、もちろん体調面とか気兼ねなく話せるって私大事だと思うんだよね
「どうぞA様。…やはり少しむず痒いですね。」
そう言って私の昼食をよそってくれた彼。
『どこか痒いの?』
「いえ、あの、そういう訳ではないんですが…。なんというか…」
口篭る彼の横から、稽古場で見慣れた男がひょこっと出てきた。私がビシバシシゴいている隊の人である。
「あれですよA様!高華の鋭華と名高い貴方様が私達新米の兵とご飯を食べてるからですよ!!あ、もちろんいい意味でですよ!」
『え"…ど、どうして私が皆とご飯食べたら痒くなるの?……はっ、もしかして私に拒否反応起こしてるとか』
嘘でしょ。痒くなるほどに私が苦手だったなんて……この一兵卒の方とはもう何度も会話している。
『今まで我慢させていたのね。ごめんね気づかなくて…』
「断じて違いますから!!……僕、そ、その、位の高い方達はもっと、なんと言うか……僕達をこんな優しく接しないと思っていたので。ただ、実感が湧かないだけなんです。」
『…優しいだなんて。私貴方が言う程優しいく無いよ?稽古だって皆を叩きのめすもの』
「いや、稽古ですのでそれで良いと思います。僕が言ってるのは普段の行動ですよ。A様は誰にでも優しく寛大です。」
『っあ、ありがと。』
真っ直ぐな目で見つめられ、彼が口にした言葉は本心であると語りかけてくる。いきなり褒めてくるとは思わなくて少し驚いてしまった。
「っい、、いえ!!すみません!!一兵卒ごときがこんな大口!すみません!!」
「そうだ!謝れ!!A様を口説こうなんて100年合っても足んねえんだよ!!」
「そうだそうだ!!」
既に座ってご飯を食べるのを待つ隊の人達が声を上げる。私の隊達は悪ノリが過ぎる。私には少なからず威厳と言うものがあるはずなのだが
『大口だなんて気にしないで。褒めてくれて嬉しかったわ。貴方も午後頑張って』
そう言って褒めてくれた彼の頬をつっつき、いつもの食事場所に向かった。
80人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» リクエストは前回にも述べさせて頂いたとおり、お作りすることはいたしません。理由と致しましては、作品制作に関してのリクエストは受け付けていないためです。長い期間をあけての返事となってしまい、大変申し訳ありません。引き続き読んで下さると嬉しいです! (12月21日 23時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - この前の、リクエストの件書いてくださいますか? (9月4日 7時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - 大丈夫ですよ。 (9月3日 3時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» すみません!!今誤字っているのに気が付きました!!初めて!じゃなくて初めまして!です!!すみません!!何とも恥ずかしい間違いをしてしまいました!! (9月2日 23時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» 初めて!コメントありがとうございます!こちらこそ この小説を読んで頂けてとても嬉しいです!リクエストなのですが、申し訳ありませんがお作りすることはいたしません。本当にすみません。成り代わりではありませんが、引き続きこの小説を読んで下さると嬉しいです! (8月30日 22時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蒼月 | 作成日時:2023年3月21日 21時