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ヨナの誕生日3日前。そうこの日はスウォンとお茶会を約束した日である。場所はかねてからお茶会で利用していた客間………ではなくスウォンの部屋とのこと。
仕方がない。客間は全てヨナの誕生日へのご来賓の方々が利用される。3日前であるため、既に到着された者もいる状態だ。
恒例であったあの客間を使えないのは少し寂しい気もするが、まあ致し方ない。
そしてちょうど今スウォンの部屋に向かっている所である。
歩いている間、少しヨナのことを考えていた。2日前、つまりヨナと陛下が婚約者論争をしたあの日。実は、新兵達を解散させた後にこっそりヨナに会いに行っていたのだ。
落ち込んでるだろうな、どう声をかけようか、せめて近くにいよう、などとぐるぐる考えていたのだが。実際に会ったヨナの表情は明るかった。
別に無理している様子ではなかった。逆に憑き物が取れたような、どこかスッキリしたような様子だった。さらに言えば、いつもより笑顔の時の頬が緩かった気もする。
そんな様子の彼女に、婚約者論争を蒸し返すような事を言える訳もなく、その後は世間話をした。
一体何が??何があったの??……とは気になるものの、ヨナが辛い思いをしていないのなら、これ以上詮索するのは野暮なのかもしれない。
……はあ。ヨナのことになると途端に過剰になってしまう。歳を重ねるごとにさらに悪化している気もする。冷静になれ私。
そんなこと考えているとスウォンの部屋に着いた。
『スウォン。Aよ』
扉をコンっと音を立てて鳴らし、名乗った。しばらくすると目の前の扉は開かれた。
スウォン「いらっしゃいA。準備は出来ていますよ。早速始めましょう」
相変わらずスウォンの笑顔は眩しい。ぐるぐると悩んで出来た黒いモヤが浄化される。
その後椅子に案内された。テーブルには大量の茶菓子が綺麗に飾られている。私の事分かってるわね。流石だわ。
用意してくれたお茶をスウォンが目の前で注いでいく。部屋には他の誰もおらず、私達2人だけだった。
お茶を見るとほのかに湯気が立っており、花のような良い香りがする。流石スウォンである。前にも言った気がするが、スウォンの勧めるお茶はどれも格別なのである。
そしてスウォンが席に着くと、私達はこのお茶を頂いた。
『…っ?! これとても美味しいわ!!スウォン!!』
スウォン「良かった。Aの口に合ったようで嬉しいです」
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蒼月(プロフ) - クロウサさん» リクエストは前回にも述べさせて頂いたとおり、お作りすることはいたしません。理由と致しましては、作品制作に関してのリクエストは受け付けていないためです。長い期間をあけての返事となってしまい、大変申し訳ありません。引き続き読んで下さると嬉しいです! (12月21日 23時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - この前の、リクエストの件書いてくださいますか? (9月4日 7時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - 大丈夫ですよ。 (9月3日 3時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» すみません!!今誤字っているのに気が付きました!!初めて!じゃなくて初めまして!です!!すみません!!何とも恥ずかしい間違いをしてしまいました!! (9月2日 23時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» 初めて!コメントありがとうございます!こちらこそ この小説を読んで頂けてとても嬉しいです!リクエストなのですが、申し訳ありませんがお作りすることはいたしません。本当にすみません。成り代わりではありませんが、引き続きこの小説を読んで下さると嬉しいです! (8月30日 22時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2023年3月21日 21時