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貰った耳飾りをスウォンに渡し、彼に対して左耳(耳飾り付けてない方)を向けた。スウォンの手が近づいてくるのが目の端に見える。
そっと触れたスウォンの手は冷たかった
改めて思うけど、本当に彼とは久しぶりだ。昔は4人でどこ行くのも一緒だったのに、今では、ハクとヨナには少ない時間でしか共にいれないし、スウォンに至ってはそもそも会えないのだ。やはり成長すれば、色々しがらみも産まれてきてしまうんだ。
『…スウォンはここにいつまでいれるの?ヨナからはしばらくいるとは聞いてたけど』
スウォン「…そうですね。少なくともヨナの誕生日まではいますよ」
『はは。ヨナの誕生日のために来たんだから、逆にそこまでいてもらわないと困るよ』
濁された気がしなくもないが、少し面白かったので笑ってしまった。そんな感じで短い話をしていると、スウォンの手が離れた。冷たくて少し気持ちよかったのに…
スウォン「はい。付け終わりましたよ」
その声を聞き、スウォンに対して正面を向いた。
『どう?似合ってる?』
スウォン「……はい。…とても、」
『何その間〜』
彼は少し驚いている表情をしていた。
スウォン「A、本当にとても似合ってます。……ささ、もう稽古に戻っても大丈夫です。今日はこれを渡したかっただけなので。」
『はは、急に突き放すね』
彼は自分の顔を隠すかように、私の肩を掴みクルっと扉の方に向け、そして背を優しく押した。稽古場に向かって耳を澄ませると、既に食べ終えている人が多く感じられた。
確かに。もう戻らないとな。
昔から耳が良いのだが、良すぎて少し不気味に思うこともあった。しかし便利なので気にしないことにしている。
『帰る前に一つだけ伝えたいことがあるの。耳貸して』
スウォン「…っえ」
彼の耳に口を近づけ、声が漏れないよう手でその耳を囲んだ。
『ここ来た時なんだけど、視線を感じたの。今の所殺気はあまり感じられないけど、かなりの手馴れだと思う。何かあってからはいけないから、用心しといてね。』
ちょっとした忠告。警戒してて損はないしね
スウォン「………はい。気をつけます。」
『じゃあ、私そろそろ行くね。今日はありがとう』
スウォン「こちらこそありがとうございます。お茶会は、ヨナの誕生日の3日前ですからね」
『うん!スウォンのお茶、楽しみにしてるね!』
じゃあね。はい。そして私たちは分かれた。
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蒼月(プロフ) - クロウサさん» リクエストは前回にも述べさせて頂いたとおり、お作りすることはいたしません。理由と致しましては、作品制作に関してのリクエストは受け付けていないためです。長い期間をあけての返事となってしまい、大変申し訳ありません。引き続き読んで下さると嬉しいです! (12月21日 23時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - この前の、リクエストの件書いてくださいますか? (9月4日 7時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - 大丈夫ですよ。 (9月3日 3時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» すみません!!今誤字っているのに気が付きました!!初めて!じゃなくて初めまして!です!!すみません!!何とも恥ずかしい間違いをしてしまいました!! (9月2日 23時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» 初めて!コメントありがとうございます!こちらこそ この小説を読んで頂けてとても嬉しいです!リクエストなのですが、申し訳ありませんがお作りすることはいたしません。本当にすみません。成り代わりではありませんが、引き続きこの小説を読んで下さると嬉しいです! (8月30日 22時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2023年3月21日 21時