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少し無言が続き、午後の稽古まだ始まってないよね、なんて考えていると、スウォンは顔を隠した手を下ろしこちらを見た。
スウォン「…そのですね。今回はお茶会の事を伝えるたかったのもあるんですけど、本題はまた別にあるんです」
やはりそうだったのか。スウォンはいつになく真剣な表情だ。一体なんだろう。また緊張してきた。
『…本題って何…?』
スウォン「実は……」
そういうスウォンは、襟元から何かを取り出した
スウォン「……これを貴方に渡したかったんです」
『……これって…』
差し出された手に乗っているものを見た。金色の枠に囲まれ、水色がかった透明性のあるガラスのようなもので作られた羽の耳飾りであった。簡易的な形ではあるが、ぷくりと立体的で可愛らしく、光が反射して美しくもあった。
しかし片方しかないようだ。手のひらにはこの羽の耳飾りはひとつしかなかった。何故かは分からないが、そんなのはどうでもいい。幼馴染からの贈り物は、ただただ嬉しいかった。
スウォンは差し出した手と反対の手で私の手をとり、両手で挟むようにしてその耳飾りを渡した。その所作はとても丁寧で優しかった。
『すごく可愛い!!これ本当に貰っちゃっていいの?!』
スウォン「もちろんです。いつも片方だけしているので、それと対になるものを選びました………どうでしょうか」
だから一つだけだったのか。私の事を思っての贈り物にさらに嬉しくなった。
『すっごく嬉しい!!これからつけるねこれ。いや、今すぐつける!本当にありがと!』
急いで鏡を探すことにした。鏡〜鏡〜鏡はどこ〜。そんな感じで書庫内をふらふらしていると、奥の机の上に置いてあった。
すぐにその鏡の前に立つ。いつも右耳につけている羽のポンポンは風の部族に迎えられた時に貰ったものだった。実はそれ以前の記憶は私にはない。ただ私が拾われた時、この装飾された羽のポンポンを大切に持っていたと聞いた。
話を戻そう。しばらく何もつけてない左耳を鏡に映した。いざつけるぞ、そんな時にスウォンがひょこっと鏡に現れた。
スウォン「もし良ければ、私につけさせて下さい」
『…え?』
いきなりの事でびっくりしてしまった。そんな事までしてくれるなんて、逆に申し訳ない。君は優しすぎではありませんか?
スウォン「いや、あの…嫌なら大丈夫ですよ」
慌てた様子の彼
『嫌じゃないよ。スウォンが良いならお願いしようかな』
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蒼月(プロフ) - クロウサさん» リクエストは前回にも述べさせて頂いたとおり、お作りすることはいたしません。理由と致しましては、作品制作に関してのリクエストは受け付けていないためです。長い期間をあけての返事となってしまい、大変申し訳ありません。引き続き読んで下さると嬉しいです! (12月21日 23時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - この前の、リクエストの件書いてくださいますか? (9月4日 7時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - 大丈夫ですよ。 (9月3日 3時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» すみません!!今誤字っているのに気が付きました!!初めて!じゃなくて初めまして!です!!すみません!!何とも恥ずかしい間違いをしてしまいました!! (9月2日 23時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» 初めて!コメントありがとうございます!こちらこそ この小説を読んで頂けてとても嬉しいです!リクエストなのですが、申し訳ありませんがお作りすることはいたしません。本当にすみません。成り代わりではありませんが、引き続きこの小説を読んで下さると嬉しいです! (8月30日 22時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2023年3月21日 21時