［暁のヨナ］赤龍は鈍感過ぎてヤバイのです 0.1 過去編

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__A目線,＊*_



『……っん…』


どこからか光が漏れ私の顔を照らした


『…まぶ…しっ…』


自然と重たい腕が動きその光をさえぎるように額に置いた


『………』



目が覚めると少しだが聴覚や触覚などの感覚がハッキリしてくる


すると妙な違和感が右腕ら辺を襲った


？なんだろう


寝返りを打つ事すら面倒なので顔だけをその違和感を感じ方へズルズルと動かした

そこにはボヤけた黒い塊がゆっくりと上下していた



ん？かたまり？

…だめだ

考える事が面倒で仕方がない

何より眠い



まだ全然ハッキリしない意識と視覚を使っては何も分からなかった

それより睡魔が勝ってしまって何もかもがどうでもよく思う


顔を元の位置に戻すのも面倒になり、ずっと黒い塊を閉じかけの眼の隙間から見つめる


真っ黒だな〜


瞼を押し上げていた力は無くなり、いつの間にかボヤけた黒い塊は全く見えなくなった



…


…



グゥルルル〜



全く可愛さを持たない腹の音が私が眼を閉じて数十秒後に部屋に鳴り響いた


その瞬間 眼が異様な程までに覚め、カッッと眼が開かれた


腹の音の犯人は私だった

物凄い空腹感に襲われるからである


それと共に顔の向きにより天井ではなくモサッとした黒い毛達が自然と視界に入った


視覚と空腹に遅れをとっていた意識は徐々にはっきりする

それと共に黒い毛達の正体もそれと同じように徐々にはっきり分かってきた



『…………ハク？』



視界に映っていたのは足と手を組み、頭は前のめりになり過ぎて私の右腕付近の布団に額を付ける変な姿勢のハクだった


髪の色とその艶、髪飾り、見た感じ柔らかそうな髪質……多分ハクだろう


…もし違っていてもこの人はとても変な姿勢をしている事に変わりないけどね



絶対腰痛めるよ

さっきから動かないけど…寝てるのかな


重い上半身を持ち上げ腕を伸ばし、曲がった背中に手を置くとポンポンと叩いた



『…ぇ、ねぇ……ねぇ』


「……っん……」



もぞっと体を動かしたと思うとそのまま固まってしまった


うん寝てる

…起こそう


それから何度か叩いたり揺らしたが、同じようにもぞっと体を動かしただけだった



まったくなんて人だ

そんな格好で爆睡か


完全に体が覚めると、空腹がさらに増してしまい 腹の音は止むことを知らないかのように数秒ごとにあの可愛いげのない音を鳴らせた


『……ダメだ。全然起きないしお腹空いた』


グゥルルルゥ〜


腹の音と共に溜息をこぼした

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