好きだ! 5 ページ6
___A side .
『今日も凄かったですよ』
衛「ほんとか!?じゃあ更に頑張んねぇとな!」
『ふふ笑…リベロ、かっこいいですね、』
衛「だろ!やっぱリベロにして良かったって思うぜ」
『大好きなんですね、リベロ、笑』
衛「おう!…てかそう言うAちゃん、バレーに詳しいよな、去年会ったばかりだけど既にルールも知ってたし、バレーやってたのか?」
『え、あ…あ〜』
正直言いたくない。
でも、夜久さん知りたがってるし、言わないとって思う。
いや、言うのはいいんだ、事故を思い出してしまうのが嫌なの。
『ち、中学の時…女バレに入ってました。』
衛「そうなのか!それでマネージャーか。」
『え、』
衛「ん?」
『…なんで女バレじゃないのかって聞かないんですか?』
衛「…言うのほんとは嫌だったんだろ?」
『え、』
衛「…嫌なのにそれ以上詮索したりしないから」
『…ありがとうございます…』
バレーは好きだ。けど、バレーのことで事故のことを思い出してしまうのはとても嫌だった。あの事故が無ければ、って思い出す度思うんだもん。
そう考えていた時、グラッと前に倒れそうになった、のを隣の夜久さんが助けてくれた。
衛「あ…っぶね、」
『す、すみませ…!』
思わず顔を上げてしまってそのまま1分。
私と夜久さんの顔の近さ、わずか1cm。
吐息も鼻も、あともう少しで触れてしまいそうなくらい近い。
自分の顔が赤くなったのを自覚してしまい思いっきり夜久さんから離れた。
『ご、ごごめんなさい!!今度からは気をつけます!た、助けていただきありがとうございました!失礼しますっ、』
衛「あ、ちょ、」
一方的に謝罪と感謝の気持ちを伝え食堂まで走った。
なんなんだなんなんだ、今のは。
事故だよね、狙ってないよね私。
だって私には、私には、堅治がいるし、
ただ、ただ考え事をしていただけ。
なのに、
『なのになんでこんな…顔が熱いの…』
違う、違う。だって、堅治以外の男の子で、あんな近い距離にいたら誰だって…慣れないし恥ずかしい。
そうだよ、ただ慣れてなかっただけ。
そう言い聞かせ、私は顔を覆いながら食堂に向かった。
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作者名:ナナマカロン | 作成日時:2021年1月30日 22時