FIFTEEN ページ16
．A side ．
『じゃあ、私こっちだから…送ってくれてありがとう彰人』
｢A｣
『ん？何？』
｢…お前、俺に隠してる事あったりしねぇか｣
ザァッと傍にあった木が揺れ、葉っぱが音を立てた。
まるで、私と彰人の離れた心の距離を表すように。
彰人の真剣な瞳が私を捉えた。
そこまで離れてはいないはずなのに、なんでこんなに離れてるように見えるんだろう。
『…何ともないよ。ただ、ちょっとね』
｢その"ちょっと"の中身が聞きてぇ。｣
『…珍しくしつこいね。…話すことなんてないよ』
私にしては棘のある言い方。
その言い方に、彰人は目を見張った。
｢…んだよ、その言い方。俺はお前を心配して…｣
『だから何も無いってば。心配しすぎ』
家の扉に手をかけた時、
｢俺は！お前の辛い顔が見たくない！！｣
彰人の大きな叫び声が聞こえた。
思わず振り向いて見た彰人の顔は、物凄く怖い顔をしていた。
『…話すつもりなんてなかったの』
｢…｣
『今まで、私は彰人に親の話をしてこなかった。』
｢親…｣
『そ。親。卒業まで話すつもりなかったんだよね…誰にも』
｢なんで、…俺には、｣
『今バレたから。彰人が言ったんじゃん、辛い顔見たくないって。』
止まらない。
口が言うこと聞いてくれない。
胸の中から喉まで来て、まだ出ちゃダメって。
あぁ、どんどん喉が震える。
泣きたくない。
泣きたくないのに。
｢…泣けばいい｣
『…っは、』
｢A、最近泣いてねぇよ｣
『…意地でも泣かないように…っしてたから』
｢そこがダメなんだろ。少しは頼るくらいしろよ｣
ぶっきらぼう。
だけど優しいその言葉に、涙腺が崩壊して。
しゃがみこんだ私の前に同じように目線を合わせてしゃがみこんだ彰人は、私を抱きしめて背中をさすってくれた。
『…っ、もうここまで来たら、夢諦めるしかないのかな』
｢…｣
『…大好きだったお母さんやお父さんも、忘れなきゃなのかな…』
｢そんなことねぇだろ。忘れたら、もう二度とAの母さんや父さんを思い出せなくなっちまう。｣
『…っ』
彰人の言う通りだ。
この世に私のお母さんやお父さんは居ない。だから私が忘れたらダメだ。
『…聞いてくれる？私の親の話』
｢当たりめーだろ｣
．
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ナナマカロン(プロフ) - Reiさん» すみません、ありがとうございます…。 (2022年2月19日 8時) (
レス) id: 22df617634 (このIDを非表示/違反報告)
Rei(プロフ) - ナナマカロンさん» 忙しいですよね。気長に待ってます (2022年2月18日 22時) (レス) id: 426000beb8 (このIDを非表示/違反報告)
ナナマカロン(プロフ) - Reiさん» すみません、まだ終わりでは無いですが続きを書く時間がちょっと割けず…もう少しで続き出ます。申し訳ないです、、、 (2022年2月18日 19時) (レス) id: 22df617634 (このIDを非表示/違反報告)
Rei(プロフ) - 終わりなんですか？ (2022年2月18日 17時) (レス) @page7 id: 426000beb8 (このIDを非表示/違反報告)
ナナマカロン(プロフ) - 昨夜さん» わー！ありがとうございます！！まだまだ語彙力ないですが頑張ります！ (2022年1月26日 17時) (レス) id: 22df617634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナナマカロン | 作成日時：2021年10月24日 18時
