肆 ページ5
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『今は決心がついてるの?』
童磨「俺には時間が無限にあるけど、Aはそうじゃないということを思い出してね」
目の前の男、童磨は過去の私をどう想っていたんだろう
今の私をどう見ているんだろう
『童磨……?』
名前を呼ばれて嬉しそうに目を細める童磨
童磨「その扇は俺のとお揃いかい?」
私の腰にささる金の扇を見て首を傾げる童磨
『知らないし…宇髄さんに無理矢理買ってもらったやつ』
童磨「なんだ…Aの中に俺が残ってるんだと期待してしまったよ…」
月の下、金の鉄扇を広げて口元を隠し笑う童磨を見て
ズキッと頭が痛む
覚えてないのに、既視感を感じる
目の前の童磨は鬼だ
思い出すべきなのか、思い出さない方がいいのか
『私達はどういう関係だったの?』
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童磨「うーん、難しいね…
父を亡くした君の家族のようで
いつも側に置いて側近のようにも扱ったし
君の両脚を折って閉じ込めたりもした」
童磨は言い切ったら思い出したように「あぁ、そうだ」と呟いて
私に無理矢理接吻をした
童磨「君を閉じ込めてた時はこんなこともしたよ」
『どうかしてる』
童磨「そんなこと言わないでおくれよ〜
俺は君が好きなんだ
俺は俺なりに愛情表現をしてるんだぜ」
屈託なく笑い、私の頭を抱きしめる
童磨「Aが鬼殺隊に入ったことも柱になったことも知ってたよ…たまにAの匂いがする鬼殺の隊士を見つけては何処にいるか聞いて殺したなあ」
誰も教えてくれなかったけど、と付け加える童磨に頭が痛くなるほどの殺意を覚えた
『ッ!!私はお前なんか知らない…!』
童磨「おっと、危ないな〜」
日輪刀を童磨の首めがけて抜刀すれば、間合いを取ることができた
『過去に何があろうと、鬼のお前を斬る』
童磨「………俺は君を殺す気はないよ」
一緒に帰ろう、ずっと2人で幸せに暮らそう、と言い手を伸ばす童磨
『氷の呼吸 壱の型 氷襲』
童磨「またそれか〜壱の型好きだね」
君は初めて見せたつもりかもしれないけど、俺はその技を知ってるんだぜ
と木の上に飛び乗った童磨の腹立たしい声が頭上からした
童磨「血鬼術 蓮葉氷」
童磨が対の扇を振るえば蓮の花の形をした氷が現れ
私の身体を凍らせるほどの凍てついた冷気が襲ってきた
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パラカズ(プロフ) - 素敵すぎる作品でした。今まで童磨は嫌いてましたが本編を読んで一気に好きになりました。ありがとうございます (2022年7月19日 19時) (レス) @page43 id: baf67f2e39 (このIDを非表示/違反報告)
pooky - 素敵な作品でしたね!次の作品も期待してます!煉獄さんも良いけど、童磨とも結ばれてほしかったけど、煉獄さんの想いに感動です! (2021年3月10日 13時) (レス) id: 012e567f90 (このIDを非表示/違反報告)
pooky - 感動しました!楽しかったです! (2021年3月10日 12時) (レス) id: 012e567f90 (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - あの、、とてもとても素晴らしい作品をありがとうございました…!泣きそうになりながら一話一話噛み締めて読みました…こんな素敵な作品に出会えて幸せです…!完結おめでとうございます! (2020年11月30日 23時) (レス) id: 86023f8af9 (このIDを非表示/違反報告)
ohyutaya(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます。 (2020年11月30日 21時) (レス) id: a99629f64d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でんでん x他1人 | 作成日時:2020年11月23日 12時