童歌 弍 (完結)

弍拾参 ページ23

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炭治郎 side




善逸「え…？あの二人本当に同じ人間？」



鬼かなんかじゃねえの、という善逸を叱る



胡蝶「想像以上に早い回復です……煉獄さんは左眼こそ失明していますが、その他は前と変わらず柱として問題なく闘えるまでに戻りました

Aさんに至っては相変わらずです」





煉獄さんとAさんは、柱に戻るのは難しいとまで言われるほどの重傷でありながらも

異例の速さで揃って柱に復帰した





早速二人に会いに行きたいとしのぶさんに居場所を尋ねるも




胡蝶「それぞれ既に任務に出掛けてしまいましたよ」




善逸「柱こっわ！！！この間まで腹えぐれてたのに！！！」




伊之助「……」




そういえば、伊之助はAさんの前や
Aさんの話題が出るときは妙に静かだな




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杏寿郎に次いで、なんとか柱に復帰した私は


1人任務を終えて帰ろうとしていた




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童磨「ああ！やっと見つけた！」




Aが猗窩座殿を倒しちゃったおかげでこっちは大変なんだぜ〜と世間話をするかのように


警戒心もなくヘラヘラと現れる童磨




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童磨「……どうしたんだい？」





泣きそうな顔して…と戯けたように笑う童磨



記憶が戻ってから顔を合わせるのは初めてで



どう接するのかが分からないのだ








童磨「……記憶、戻ったの…？」







何で分かったんだろう





私が頷くと、童磨は5年前のように

嬉しそうに笑った





童磨「A？照れてるのかい？」




鬼と共存する方法を考えてしまうくらい
俺のこと好きだったもんね、とニヤッと笑う童磨




『もうそんな馬鹿な考えは起こさないよ』




私は貴方を殺すのだから




童磨「いつもそんなこと言うけど、今君は刀に触れてもいないじゃないか」



『童磨だって警戒心のかけらもないじゃない』



童磨「ははっ、そうだった

俺達はこうしてお互いを殺さない理由を何とか探してるんだね」




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多分私達は5年越しに想いが通じ合ったのだろう




明言せずとも良いのだ





童磨「来世では、同じ種別としてまた会いたいなぁ」




『来世なんて信じるようになったの？』




童磨「信じたくなる愚かな人間の思考が分かってしまったのさ」





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