拾陸 ページ17
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首を刎ねても戦闘態勢の猗窩座
そんな猗窩座にただでさえ驚き絶望しているというのに
煉獄「俺はAを守ると誓う」
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何故今ここでその話を続ける
と焦りながらも
どこか胸に込み上げる感情もある
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こんなこと、戦闘中に話すなんて
らしくないことをしないで
杏寿郎らしくない
お願いだから
これから起こる不吉なことを想像させないで
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『終わったらいつでも聞くから!』
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隣で笑う杏寿郎の左反面は血濡れているのに何処か余裕を感じられる
杏寿郎の瞳をしばらく見ていない
早く日の下で、その燃え上がる闘志のように
誰よりもまっすぐなその瞳を見たいと思った
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猗窩座「…大事な時にそばにいなくてごめん、約束を一つも守れなかった、許してくれ、頼む、許してくれ!」
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突然の猗窩座の異変にギョッとする
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猗窩座「破壊殺・滅式」
『な…なにを…』
猗窩座は何故か自身の身体を攻撃し、
その身体は塵のように天へと消えていき
突然の自害を果たした
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煉獄「猗窩座、とても強かった」
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彼は俺を鬼へと誘っていたが
俺は彼が人間なら鬼殺隊に誘っていただろう!
そんな優しい杏寿郎の言葉と、日が昇り朝を迎えた空の明るさで
『終わったの…?』
闘いの終わりをじわりじわりと実感する
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炭治郎「煉獄さん!!」
『!!!』
杏寿郎は炭治郎の元へと歩いた後、ガクリと膝をつき
いつもより少し落ち着いた声色で杏寿郎は続けた
煉獄「胸を張って生きろ」
杏寿郎と私の満身創痍の身体を見て炭治郎の涙は止まらなかった
それもそのはず
杏寿郎は左眼だけでなく身体の至る所から大量に血が流れている
私も蹴られた拍子に脇腹を抉られており、
2人揃ってこのまま死んでもおかしくない
煉獄「己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと、心を燃やせ、歯を喰いしばって前を向け
君が足を止めて蹲っても時間の流れは止まってくれない 共に寄り添って悲しんではくれない
俺達がどれだけ傷つき死のうと気にするな。柱ならば後輩の盾となるのは当然だ。柱ならば誰であっても同じことをする。若い芽は摘ませない」
『あはは、泣かないでよ〜炭治郎』
善逸「Aだって、、その身体…」
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パラカズ(プロフ) - 素敵すぎる作品でした。今まで童磨は嫌いてましたが本編を読んで一気に好きになりました。ありがとうございます (2022年7月19日 19時) (レス) @page43 id: baf67f2e39 (このIDを非表示/違反報告)
pooky - 素敵な作品でしたね!次の作品も期待してます!煉獄さんも良いけど、童磨とも結ばれてほしかったけど、煉獄さんの想いに感動です! (2021年3月10日 13時) (レス) id: 012e567f90 (このIDを非表示/違反報告)
pooky - 感動しました!楽しかったです! (2021年3月10日 12時) (レス) id: 012e567f90 (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - あの、、とてもとても素晴らしい作品をありがとうございました…!泣きそうになりながら一話一話噛み締めて読みました…こんな素敵な作品に出会えて幸せです…!完結おめでとうございます! (2020年11月30日 23時) (レス) id: 86023f8af9 (このIDを非表示/違反報告)
ohyutaya(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます。 (2020年11月30日 21時) (レス) id: a99629f64d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でんでん x他1人 | 作成日時:2020年11月23日 12時