愛を唄おう (ページ9)

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「ふふっ、お腹空いてます？」

「あ、いや、、まぁ…」

うわぁ、くそ恥ずかしい…

「お兄ちゃん、顔真っ赤だよ？」

「うっせ！」

目の前に運ばれてきたのは、美味しそうな肉じゃが。

「うまっそぉ！」

「うまいよ！ままはりょーりが上手やけん」

「こら、美味しいやろ？」

「うぇーい、怒られてやんのー。ほらな、俺の真似すんなよ？」

「はーい」

一口、肉じゃがを口に放り込む。

出来立てだから少し熱いけど、すごく美味い。

「どう？」

「めちゃくちゃ美味いっす！天才っすね！」

「そうですか？ふふ、嬉しい」

可愛い。

「あの、いいんすか？旦那さん、とか」

「あー…大丈夫ですよ。うち、シングルなんで」

おいおい、ガチかよ！

じゃなくて、結構まずいこと聞いたな。

いや、でも普通に俺にもチャンスあるじゃん。

じゃなくて！

「大変っすね。倉田さんっていくつなんすか？」

「24です」

「え？！24？！俺の一個上？！まじか…すげぇ」

「…」

「え？あのー、倉田さん？どうかしたんすか？」

「いや、あの、、そんな事言われた事なかったから…びっくりして」

いやいや、普通に凄いだろ。

俺の一個上で子供育てて、しかもシングルマザーって。

あ、でも世間的にはあんまり良くないんかな。くそみてぇだな。

女手一つって、クソ大変だろうに。他人がとやかく言うとか。

「銀太さんは、優しいんですね」

「…うっす」

倉田さんの瞳がほんのり潤んでいる気がした。