お嬢のトラウマ。工藤の兄貴が愛の鉄槌を下す! ページ9
俺の名前は小峠華太。
「あるよ、人を殺そうと思ったこと」
お嬢の意外な過去を知ってしまったアラサーの極道だ。
その日は、小林の兄貴にやられた速水の手当てをお嬢が行なっていた。
身重な上、目上であるお嬢にそんなことをさせるわけにはいかないと説得したのだが何か役に立ちたいと言われてしまっては頷くしかない。
兄貴たちに見つかったら間違いなく殺されるが……
泰「お嬢は優しいっすねぇ。あの兄貴たちの下で育ったとは思えないっす」
なんて命知らずなやつだ。
兄貴たちが聞いていたら10回は死んでるぞ、確実に。
だが、そんな事は気にもしないようでお嬢は朗らかに笑っている。
「ふふっ、そう?皆優しいから、そんなに影響ないと思うけど」
華(優しい……?)
姐さん同様、お嬢のいう“優しい”の意味が分からなかったが、まぁ、お嬢“には”優しいんだろう。
泰「お嬢って、人を恨んだこととかなさそうっすよね。そういうのに無縁というか」
「……」
速水の言葉に、お嬢は一瞬哀しげな顔をした。
暫く無言で速水の手当てをしていたお嬢が、ふと呟くように言った。
「あるよ。人を恨んだことも殺したいって思ったことも」
そう言って哀しそうに笑うお嬢に思わず息を呑む。
あのお嬢の性格からは考えられない言葉だ。
無論、人間だから他人を恨むことをあるだろうが、お嬢が殺したいと思うだなんて。
泰「そいつ、何したんですか」
俺が聞くのを躊躇った質問を、スラスラと口に出す速水には尊敬の念すら抱く。
決して欲しいとは思わないが。
お嬢は速水の質問に躊躇うような表情を見せながらポツリポツリと話しはじめた。
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シャリファ(プロフ) - 夢主死なないで…!! (1月21日 21時) (レス) @page46 id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ついに再開するのかな……どうなるのか、楽しみ! (1月3日 22時) (レス) id: 8bbd6a886b (このIDを非表示/違反報告)
シャリファ(プロフ) - まじで相手誰だ‥?これからも楽しみにしてます! (11月29日 21時) (レス) @page18 id: 8b3e245298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天ヶ崎音 | 作成日時:2023年11月24日 18時