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俺の名前は戸狩玄弥。








大事なもんのために突っ走る、天王寺組の超武闘派や。





親父から呼び出しをくらい急遽組に戻ると、そこにおるはずのない人物がおった。








阿久津A。



天羽組の亡き若頭、阿久津敏朗の一人娘であり俺の、、、、








俺がずっと傷つけてきた子や。





俺を見つめるあの子の目を真正面から受け止めることはできんかった。



ひどい別れ方をした上に、自分の肉親を殺した男を前に、Aの声は堂々としとった。









俺の手ぇは、血で汚れとる。



殺したことを後悔したことはない。






でも、そんな俺に子供やと?





しかも、Aとの、、、








「笑えへんわ」


あの子はどんな思いで、俺との子を産んだんやろうか。


どんな気持ちで、子供を育てたんやろうか。




写真に映るちっさい男の子を見てると、そんなことを思わずにはいられへんかった。










ほんまは会いに行くべきやないんやろう。



でも、Aの涙を押し殺すように震えた声が耳元から離れんのや。







「息子さん、翔くん言うんですけど、兄貴にそっくりでしたよ」



道中、そう言った渋谷の声はどっか寂しそうやった。





渋谷に渡された住所は、俺のよぉ知っとる場所。


目隠しされたって間違えへん。




1年間、通い詰めやったからなぁ。








「お、Aさんからや……今向かってるとこですけど、、、え?ちょ、待ってください!Aさん!」





急に焦った声を出す渋谷に、なんや嫌な予感がする。






「兄貴、Aさんの様子が変です」


そう言ってスピーカーにした携帯から聞こえてくるのは、乱暴にドアをノックする音と、微かな呼吸音。










「A」



頭で考えるより先に勝手に体は走り出しとった。

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シャリファ(プロフ) - 夢主死なないで…!! (1月21日 21時) (レス) @page46 id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ついに再開するのかな……どうなるのか、楽しみ! (1月3日 22時) (レス) id: 8bbd6a886b (このIDを非表示/違反報告)
シャリファ(プロフ) - まじで相手誰だ‥?これからも楽しみにしてます! (11月29日 21時) (レス) @page18 id: 8b3e245298 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天ヶ崎音 | 作成日時:2023年11月24日 18時

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