ある極道のお嬢の話 (ページ43)

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ポタポタと床に落ちていく血と襲いくる痛みで頭が真っ白になる。

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

「まぁまー、まぁま」

翔の声が聞こえた瞬間、私は思い切りドアを閉め鍵をかけました。

このままじゃ、あの子が危ない。

後にも先にも、こんなに力を出せたのはこの時が初めてです。

しかし閉めたはいいものの、私の体からは依然として血が出続けています。

上手く力も入れられなくて、玄関の横に座り込んでしまいました。

扉の外では、狂ったようにドアが叩かれ続けています。

(怖い、、、誰か……玄弥さん、、、)

もしも、ドアが破壊されたら。

窓から先生が入ってきたら。

きっともう私は、翔を守ることはできません。

(翔だけでも、助けなきゃ)

とても立ち上がる力はなく、床を這って机の前まで行きどうにか携帯を取る。

「はぁ、、、はぁ、、、、、、お願い、はやく」

繋がるまでの時間が、何時間にも思われました。

『どうしました、Aさん。今向かってるとこですけど』

「お願い、します、、、かけるを、たすけて」

電話の奥で何かを言ってる声が聞こえたけど、声を出す力はない。

だんだん体が冷えていくのがわかる。

もう本当に動けないかも、、、

私は、死ぬんだろうか

翔の成長も見れず、玄弥さんに言いたいことも言えないで

組のみんなにも、会いたいなぁ

「しに、、たくない、、、よ、、、、、げんやさん」

その時、扉が破壊された。