衝撃告白!兄貴たちが怒髪天?! ページ4
俺の名前は小峠華太。
組内の重苦しい雰囲気に耐えるアラサーの極道だ。
お嬢をぐるりと囲むようにして、兄貴たちが畳の上に腰を下ろしている。
俺もついで程度にその輪に入れてもらい、お嬢が口を開くのを待つ。
「あの、ご覧の通り私妊娠してます」
恥ずかしがるように頬を染めるお嬢とは裏腹、兄貴たちからは殺気が漏れはじめている。
特にカシラの殺気がやばい。
あんなのをこっちに向けられたら、間違いなく色々漏らす。
京「まぁ!めでたいわねぇ」
姐さんの嬉々とした声にお嬢はまた嬉しそうに頬を染める。
頼む、どちらでもいいからこの雰囲気に気づいてくれ!!
俺は息をするのもやっとだ。
永瀬の兄貴から“コロス”と言う言葉が呪詛のように吐き出されているが、聞き間違いだと思いたい。
あぁ、今野田の兄貴、お気に入りの湯呑みが割れた。
小林の兄貴と和中の兄貴に関しては、もうすでに殺しの準備を始めている。
敏「A、相手は誰だ」
カシラの怒気を含んだ声にようやく室内の空気を感じたのか、お嬢は気まずそうに顔を下げた。
「……言えない」
お嬢の言葉に兄貴たちの殺気が削ぎ落とされる。
どこか悲しげな雰囲気のお嬢を前に、殺気なんぞ出せるはずもない。
カシラも優しい父親の表情に戻っている。
敏「こっちでできたわけじゃないだろう?」
カシラの問いにお嬢は力無く頷いた。
「向こうで出会った人。多分、ヤクザだけど名前がわからないの」
光「A、それはつまりよぉ、その野郎はやり捨てしやがったのか?」
永瀬の兄貴が再び怒気を含みながらそう口にする。
その言葉に、静まっていたはずの兄貴たちの怒りが再発してしまった。
その空気に終止符を打ったのはお嬢だ。
「違う!」
普段の温和なお嬢からは考えられないほどの声量。
悲しみやら怒りやらを含んだその声に、地獄のような空気は終わりを告げた。
「違うっ、、、けど……ちゃんと付き合ってたかはわからない」
そう言って涙を滲ませるお嬢のことを俺は見ていられなかった。
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シャリファ(プロフ) - 夢主死なないで…!! (1月21日 21時) (レス) @page46 id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - ついに再開するのかな……どうなるのか、楽しみ! (1月3日 22時) (レス) id: 8bbd6a886b (このIDを非表示/違反報告)
シャリファ(プロフ) - まじで相手誰だ‥?これからも楽しみにしてます! (11月29日 21時) (レス) @page18 id: 8b3e245298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天ヶ崎音 | 作成日時:2023年11月24日 18時