【名探偵コナン】の世界にトリーップ！〈2nd〉

FILE.72 ダイイング・メッセージの意味 ページ25

Aside



「とりあえず警察来る前に洗いざらい吐いてもらいましょか」


これ、警察来たらどうせもう一回話すだろうから意味ねぇな、と思いながら聞いた。


「……。あの日、リビングに行ったら、幸子さんが居ました」


あ、話してくれんだ。


「そして、お金を要求されました」

「……。ちょい待ち、話が飛びすぎ」

「あ、俺、昔から何も出来なくて……親に家、追い出されて。その後、借りたアパートも追い出されて……」

「マジカヨ」

「そこで、幸子さんに拾われて……」


拾われてって……。


「それでバイトとか、始めたんですけど、上手くいかなくて……。それ、知ってるくせに、金出せって……。幸子さんに住まわせてもらってるんで何も言えなかったんですけど……」

「あ、今までにも何回かあったのね……」


黒岩さんはコクッと頷き、続ける。


「今まで、耐えてきたけど、あの時はバイト、辞めさせられたばっかりで……つい」

「つい、グサッと？」


私が首を傾げ、真顔で言うと、黒岩さんは、うっ、と唸り声をあげ、辛そうな顔をした。
なんだよ。そんな顔をするなよ。私が悪いみたいじゃないか！


「だけど、あのダイイング・メッセージってなんなの？ 付け足さず、全部塗りつぶすかすればよかったのに」


コナン君が言った。確かにそれはそうだ。


「……？ そんな事してないよ？ ダイイング・メッセージなんて、警察に言われてから気づいたし」


は？ 一体どういう事だ？
コナン君も分からない、と首を傾げている。

ダイイング・メッセージの本当の意味は、四。
四をローマ数字にすると、IV。
それは三枝さんが書き、黒岩さんが、Iの右側に＞を付け足し、Vの中心に-を付け足した。
そうして、逆から見ると、AKとなる。

この家にいた四人は全員漢数字が入っている。
赤坂 光一。二階 湊。三枝 幸子。黒岩 四郎。
一、ニ、三、四。

なので、四の黒岩 四郎が犯人。だと思ったのだが違ったのか？ いや、でも黒岩さんは自白している。どういう事なんだ？


「あ、そうか！」

「コナン君、何かわかったの？」

「あぁ。全部三枝さんの策略だったんだ！」

「……あ！ なるほどー」

「……？ どういう事ですか？」


未だに分かっていない二人に伝えるべく、私はコホン、と一つ置いて話し出す。

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