【天月】天使の仮面を被った悪魔。

41話＊ ページ41

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天月はずるい。

だってさ、悪魔じゃなくて天使でもない。すごく辛そうな顔をするんだもん。

本当、ずるいよ...


天月の伏せた瞼から見えたのは、今にも泣いてしまいそうな濡れた瞳。

溢れるのを止めようと唇をかんでいるのが見えた。


触れたら壊れそうな程に繊細なくせに我慢するんだからダメなのに。
でも、それにすら慣れてしまって笑顔の仮面が手放せなくなったのかな。

初めて天月を見た時の違和感。



『(これのことだったのかもな...。)』



天月｢......｣



相変わらず、俯き気味な天月に目線を向ける。

こちらの視線に気づいても気まずそうに目をそらす。
......逸らすことないじゃん。


本当にどっちか分からない。

悪魔みたいに笑うくせに、天使みたいに切なげに微笑むのだから。



『ねぇ、次も一緒に歌おうよ。』



天月｢...ん、いいよ。ちなみにだけど何入れたの？｣



顔を上げる天月の笑顔は、仮面の笑顔だった。

さっきまで普通に笑っていたのに。後悔に落ち込みそうだからやめて欲しいものだ。

それに、私は仕返しをしただけだし。



『えっとね＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿』




一緒に歌おうよ。


テオ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

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