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午前4時。


2つほどの大きな荷物を抱えてシェアハウスの玄関のドアを開ける。


いつも賑やかなリビングもキッチンも電気が消えて静けさが広がる。


この時間だと皆寝ているか自室にて作業しているかゲームしているのだろう。


誰にも気づかれずに外へ出られると思ったのに。




そらる「どこ行くの……A。」



なんでいるんですか、そらるさん。


『貴方にはもう関係のないことでしょう?
だって私はもう歌い手ではないんですから。』




履き慣れた靴を履いて外へ足を踏み出す。


早くこの家をでなければ、きっと決心した心が揺らいでしまうから。


お願いだから離して、そらるさん。



そらる「なんで……なんでAだけが責任取らなきゃいけないの!?

本当は、、本当は俺のはずだったのに。」


いつもの眠たそうな雰囲気ではなく、切羽詰まった雰囲気を纏っている。


そんな顔させたくないからわざわざこの時間にしたのに。



『……そらるさんには待ってくれている人がいます。最盛期を過ぎた私よりもたくさんの。』



いつからか言われるようになっていた。

もう私の活躍は終わったと。


人間は新しいものにすぐに飛びつき、飽きるとまた新しいものに飛びつく。

残酷なものだ。


私だって活動はしていたものの、再生回数は以前より稼げなくかった。

それどころか私よりも後に活動し始めた人たちの方が再生回数が多かったり、ランキングに載っている。


どれだけ良いものを作ったつもりでも、見てくれる人がいないのなら作る意味がない。


最近、活動に対して自分が動画を作る意味を見出だせなくなっていた。


だから今回の件はある意味丁度良かったのかもしれない。



『そらるさん、あなたはきっとこの先も歌い手の最前線を歩くと思います。たくさんの仲間に支えられて。』



でもその仲間のなかにきっと私はいないんだろうなぁって。


『あなたが今ここで立ち止まっている暇はないのです。
こんな老いぼれ元歌い手よりもこの先の未来のことを考えてください。』



それがきっと、そらるさんの正しい道なのだから。


私とは違う、輝いた道の。

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作者名:シュリンク&starlily x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年5月6日 0時

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